待ちに待った八ヶ岳・根石岳スノーシュー登山の日がやってきました。八ヶ岳の魅力は、雄々しい山々が連なる大迫力の眺望。四季折々に様々な表情を見せてくれる素晴らしい自然。八ヶ岳は日本を代表する人気のアルペンスポットです。その魅力は多彩なルート。ハイキング感覚の山歩きから本格派登山まで、様々な楽しみ方が選択できます。また、白山・白馬とともに高山植物の3大宝庫の一つでもある八ヶ岳連峰は、珍しい花々の楽園として幅広い層のファンを集めています。八ヶ岳は、長野県と山梨県の県境に南北約30キロにわたり峰を連ねています。昔から八ヶ岳の中心を夏沢峠として、その境から南を南八ヶ岳、北を北八ヶ岳と分けて呼んでいます。南八ヶ岳は夏沢峠から南、硫黄岳・横岳・赤岳・権現岳を経て編笠山までになります。主峰赤岳を中心に男性的な岩峰が連なり、稜線にはコマクサ等のお花畑があります。お花達は今回は雪の下に眠っていました。本格的な登山コースが多いのが南八ヶ岳の特徴です。今回行く根石岳はこの北八ヶ岳の最南端に位置しています。
北八ヶ岳は夏沢峠から北、箕冠山・根石岳・天狗岳から大河原峠までになります。
アルペンムードの南八ヶ岳とは対照的に、苔むした針葉樹の森、点在する大小の池が神秘的なムードをかもしだしています。オーレン小屋の立地は、八ヶ岳の真ん中の夏沢峠西方、稜線近くにあります。『オーレン』とは山野草で、生薬名で『黄連』と呼ばれ、漢方では健胃・整腸に古くから使用されています。 仲間に『ミツバオウレン』『バイカオウレン』『セリバオウレン』『キクバオウレン』『コシジオウレン』などが知られています。『オーレン小屋』の周辺にはたくさん自生しているので名付けられたようです。
今回から休日を避けて木曜日からの出発ですので山小屋もバス予約もとてもスムーズに出来ました。「山は平日」に限りますね。大阪梅田・阪急三番街高速バス乗り場に午前8時15分に集合、バスは8時30分に発車します。路線バスの前列を、やまたびメンバー14名が占領しました。トイレもついていますので安心してビールも飲めるし(?)、夜行バスと違い、他のお客様に迷惑のかからない範囲でお喋りも可能です。貸し切りではないことを常に意識して、心の弾む楽しい出発となりました。バスのフロントガラスはワイパーが稼働していますが、今日は移動日につきあまり気にすることはありません。43人乗りバスのほぼ半分をやまたびが占領し、あとは4、5名の乗客しかありません。バスの速度は100q出ており、順調に多賀SAで休憩し、次の休憩は阿智SAとなりました。
いっぱいの荷物 ポーター・ポッチー 茅野行です ニューシューズのくろねこさん
よしえちゃん じゅんちゃん さすけさん うららさん しわとり姉妹 くろねこさんとかをりちゃん
きくちゃんとやっちゃん ポッチー&オリオンさん 姫&JON 大阪-茅野高速バス
ポチのスワミベルトにかかっていた細引きロープを借りて「ペットボトルの吊り下げ方法」と題して周囲の迷惑にならないように全員でマスターしました。ロープを使うとき「インクノット方式」と言われたとき「あっペットボトルのあの方法やぁ」と思い出して貰えるように覚えてもらえたと思います。これが貸し切りバスならばもっと色々な事が出来るのに残念です。路線バスはたいくつなものですね。窓の外は梅が咲き、草木は冬の寒さに耐え、やがて到来する春を待っている様な光景が目に入ってきます。
午後2時を過ぎた頃諏訪湖が見えて来ました。
「すわこって女の名前と違うんか〜?」寝ぼけ眼でジョンお得意のジョークが飛び出していました。諏訪湖の町は標高762bの位置にあり終着駅の茅野はもうすぐの様です。
午後2時20分・茅野駅前到着、小雨の降る中でトランクからリュックの山を出していると「やまたび倶楽部様ですか?」と声をかけられました。山小屋のスタッフの様です。お迎えは「雪上車」と想像していたのでちょっと感が狂っちゃいました(茅野駅から雪上車のわけねぇだろう)2台のライトバンに分乗し茅野の町を抜け夏沢鉱泉に向けて出発です。
茅野駅は観光需要が高い駅で、特急「スーパーあずさ」、「あずさ」、臨時特急「はまかいじ」を含む全ての列車が停車する駅なんです。しかし諏訪大社以外、観光らしい観光はないらしいですよ。やっぱり山へ行かなくっちゃあ。
ワゴン車の中は大賑わい 一路八ケ岳へ 天気ならドドーンと八ケ岳が 雪不足で大型雪上車は出番無し
町の中を通過し、いよいよ地道に入りました。「揺れますよ」とドライバーさん。そうだ!北海道のトムラウシ遭難事故の教訓を生かしてお名前を聞かなくてはと思い、尋ねると「三浦と申します。あだ名はムッシュと言います」お〜お、これで距離は縮まったぞ
「ひょっとして「かまやつひろし似だから?」その通りでした。それからは運転しながらガイドもして下さり、夏沢鉱泉に行く途中の橋はすべて夏沢鉱泉先代社長の「おやじ」が掛けたとの事、後ろのドライバーは現在の浦野社長であること、橋の名前を聞くと、とりたててつけてないと言うことで「おやじの橋その1、その2、…」と姫が勝手に命名することにしました。
天の岩戸から大きなツララがぶら下がり、雪の下でじっと春を待つしゃくなげ並木を通り(咲くと白にほんのりピンクで見頃は6月中旬)「治朗兵衛沢の出合」で、いよいよ雪上車に乗り換えです。
山ノ神から桜台までは雪がありません 山の神を過ぎると雪道になってきました
治朗兵衛沢の出合でワゴン車から雪上車へ乗り換えです
それぞれが自分のリュックを取ろうとするとムッシュさんが「一列に並んで下さい」何とリュックのバケツリレーをしました。重たい荷物も一工夫で楽しい作業になるんですね。あまりのガタゴト道に、ちえちゃんが「肩凝った〜」と叫びました。ムッシュさん曰く
「最初に言えば良かったですね。車の揺れに身を任せていれば楽ですよ」
雪原と樹林帯の中を雪上車は快適に進んでいきます。快適とは言わないかな?まるで河原の石コロの上を走っている感じで、初めての体験です。山小屋近くになると川に流れる水の色が変わってきました。水は透明なんですが石が鉄分を含んで茶色になっているためだそうです。お風呂はぬるいお湯に長く入ると、いつまでもポカポカと温かいとムッシュさんが教えてくれました。
あたりはちょっぴりガスの中…夏沢鉱泉到着でーす
今日は私達だけが宿泊客で貸し切り状態の様です。よっしゃ山の歌も気兼ねなく歌えるぞ。消灯まではおしゃべりも出来るぞ。部屋には既にお布団が敷かれており、タオル、歯ブラシまで用意してあります。天気がよければ小屋周辺を散策する予定でしたが温泉に浸かる楽しみもあるし、みんなでお風呂に入ったり、おしゃべりをしながらのんびり過ごすことにしました。
温泉は秘湯系、湯色は茶褐色、泉質は硫黄泉、効能は胃腸病、糖尿病、皮膚病、神経痛、リューマチ。2060bでの温泉を堪能することができました。ちなみに日本最高所の温泉は、標高2430bに位置する立山黒部アルペンルートのみくりが池温泉です。(入ったよね〜!)
待ちに待った夕食ではありますが、ご馳走が多すぎて、食事のボリュームがことのほかあり
「食事は残さない山小屋の鉄則」 が守れそうにありません。(残してごめんなさいね)地元 オーナーの畑で採れたての新鮮な野菜をふんだんに使った手作り料理でお味噌もお米も自家製だそうです。食後は男性部屋に集まりミーティング、明日の山行スケジュールや天候予想、未来のやまたび談義に時間は更けていきました。「湯たんぽをどうぞ」の声でドアを開けるとスタッフの方が人数分の湯たんぽをかかえて笑顔で立っており、なつかしくて感動しましたよ。

文:久田美智子 写真:オリオンさん&うららさん
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