Yamatabi-CLUB000
七種山七種槍右回り縦走ルート6人じめ
今回のこのコースは今年1月16日に予定していたのですが、近年まれに見る大雪のため延期になっていた。梅の花もほころび、春めいてきたのでリベンジすることにしまた。例年、春のお彼岸のころは天気が良いので3月上旬に企画したのですが、今年は奈良東大寺二月堂のお水取りがすんだと言うのに雪模様が多く、彼岸の入りを翌日に控えた17日にも吹雪が舞う始末です。19日高野山を訪れた時も路肩に雪が残っていました。20日は曇りのち雨、彼岸中日の山行日の天気を危ぶんでいましたが、早朝に目を覚ますと案の定雨。それも路面を叩き付けるような大雨。決行するかどうか迷いましたが本州南岸に延びる前線と二つの低気圧は昨夜9時、気象庁発表の時速40kmから65kmに速度を上げて西へ移動している様子です。「行こう」決定して、集合場所の阪急電車・石橋駅へ急ぎます。
旧山門を出発、メンバー全員行く気満々です スタート地点の旧山門前
一つ後の電車でみまっちとベガさんが到着、続いてくろねこさんが到着、定時の7時30分にオリオン号が到着です。誰も中止などとは微塵も思っていなかったようです。「雨でも姫は行くと思ったよ。降った雨も止ましてしまう人やから」 全員口を揃えて言ってます。当初メンバーに入っていたjunkoちゃんは体調不良で急遽欠席、6名を乗せて7時30分に出発です。中国道はまだ降っています。前を走る車のしぶきが一層大雨に感じさせます。
福崎インターから播但自動車道に移り、少し走った福崎北インターでおりて登山口に到着したのが9時丁度。
9時15分。この頃から雨は小降り、あまり感じない状態です。レインギアに身を包んで…さあ、いよいよ出発です。
弁慶ののこぎり石
太鼓橋
八竜ノ滝の下
七種ノ滝・雌滝 虹ノ滝
八龍ノ滝 七種ノ滝・雄滝 七種ノ滝・雄滝下部
太鼓橋にて 八龍ノ滝
七種ノ滝・雄滝 展望台にて、見通し悪し
いくつかの滝を見ながら10時丁度、七種神社到着。
ここから見る七種ノ滝雄滝は素晴らしく見えます。この滝はほとんど水量がないのですが、今日は折からの雨の影響で落差72mの岩壁を少ない水量ながらも一気に流れ落ちています。ここで衣類調節をして頂上を目指します。
ここから頂上まで何箇所かの岩場を抜けていきます。最初の岩場は何とか通過したものの雨に濡れた岩場は滑りやすくそのうえ濡れ落ち葉が足元の安定感を奪います。二つ目の岩場で久しぶりに岩を触ったというメンバーが悪戦苦闘、20mのロープを出して姫がビレイします。ロープが掛かった安心感からか今までのムーブが嘘のよう、スイスイと姿勢を立てて登っていきます。本人もびっくり、「これなららくらくいけるわあ」そういいながら楽しんでいました。岩場はメンタル的な要素を多く含み、怖いと思えば足がすくむし、落ちないと思えば大胆なムーブもこなしていけるものなのです。
三合目、四合目と小さな木の札に書かれた合目表示に導かれるように頂上を目指していきます。
すごい急傾斜です。息切れがするほどの急傾斜です。
時折ジョンが「ヒィーヒィー」と言いながら 「カラムーチョを食べた見たいや」 いつものしょうーもないギャグを楽しんでいます。…誰も聞いてへんわ。
この頃になると雨はすっかり止み、少し霧がかかった状態ですが快適に歩けます。ただ木を揺らすと葉に付いた水滴がバサッと落ちてきますので、合羽は着用したままです。
11時15分。七種山頂上登頂と思いザックを下ろす。笠岩、つなぎ岩へは雨なのでやめようと言うことになり休憩。その間に姫が笠岩方面へ偵察に行くと1分もいかないうちに七種山の立派な頂上標識が現れました。
「おーい、みんなー、そこは頂上とちゃうでー」 休憩していた面々はザック片手にヨイショ、ドッコイショ。「なんやおかしいとおもた」…ほんまかいな。
七種山山頂
雨上がりの神秘的な景色を見せてくれます 町界尾根を右折します 夢前分岐を通過
行けども行けども下りばかり 嫌になるほど下ります ここらでちょっと昼休み ランチタイムです
ここから急傾斜を一気に下って町界尾根を目指します。「せっかく登ったのにまた下るのかよ」…誰しもそんな感じです。
この下りの道は、倒木や立ち枯れの木が多く、くぐったり、跨いだりの連続です。わずが50mほどの高低差を下るのに20分以上も費やすありさまです。町界尾根に出ると傾斜も緩やかになり、少しの間快適に歩けましたが、550mのピークを過ぎると先ほどよりきつい急傾斜の下りが待っていました。「いったいどこまで降りるのー」 わめいて見るものの傾斜は続くばかり、杉木立や雑木林の中をただひたすらに下っていきます。

12時15分。七種山から250mほどの高低差を下ったところの僅かな広場を見つけて昼食です。
雨はあがったものの行動を止めると寒さを感じます。
30分ほどのランチタイムを終えて、12時45分に出発しますが、いつものことながら食後の動きは良くないようです。何とか体にムチ打って次の目的地、七種槍を目指します。遥か遠くに尖った山が見えます、たぶんあれが七種槍でしょう。ここには、数多くの岩場やヤセ尾根が続き、鎖場、フィックスロープなども張ってあるようです。期待をもって進んでいきますが僅かな岩場をこなしただけで七種槍に到着です。
七種槍から市川町方面を望む
七種槍の山頂です
さすが槍の名前を形容するだけのことはあって山頂のスペースは狭く市川方面に下りても福崎方面に下りても急な傾斜の中を下らなければなりません。福崎方面にとって福崎町青少年野外活動センターへの標識を辿りながら下っていきます。

ここからが大変、一つ間違えば命の保障は無いような所を上がったり下がったり。「クライミングの練習をしていて良かったわー」 実感です。いきなりこんなところを歩けと言われてもなかなかリズミカルに歩けるものじゃあないでしょう。
岩肌が脆く剥がれる所も随所にあります。此処を訪れる登山者が少ないのか、はたまた冬を越したために岩が緩んでいるのか、小さな欠片がコロコロと転がっていきます。「ラク」申し訳程度に発声します。欠片に乗って石車になったら、即谷底行きです。でもメンバー口々に発します。
「楽しいなあ。野外センターから七種槍の往復もいいなあ」 「良いルートやねえサイコー」 「雨が降ってたら危険やね」「しかしすごい所やわー」   「私もこんなところを行ける様になったんやから不思議やわ」
それぞれに感想を口にしながら進みます。
そこでジョンが一言 「よっしゃー。鹿島槍から八峰キレットのトレーニングは12キロ背負ってここでやるぞお」…ぞおッ。
落ちるなよー この辺りは危険が潜んでいます ヤセ尾根は続きます
先はまだまだ長い この辺りになると全員ルンルン
疲れたら記念写真 下ったり登ったり
ここからオリオンさんが俄然力を発揮します。下ることの速さ。付いていくのがやっとです。この辺りはザレ場になっていて滑りそうです。
下の池がだんだん大きくなってきます。あと少しというところで池と管理棟の分岐、オリオンさんは迷わず右へ。
「左と違うのー」の指摘に「管理棟はこっちです」自信に満ちた声
その時管理棟200mの標識、しばらく行くと300m、400mと数字が増えていきます。おいおいおい間違ってないか。その頃リードのオリオンさんは遥か下、それも登りの道を歩いています。
「おーーーい。その道は違うぞー。広場を目指してー」
軌道修正してキャンプ場の広場に到着。

管理人のおじさんが「どこから降りてきましたんや」
けげんそうな顔で聞かれて説明することしきり
「途中から池方面にとってもらったら直ぐでしたのに」
そっかー。四角形の三辺を歩いたと言うわけですか。
ここで最後の休憩です。あと20分ほどで下山です
あの池の畔がゴールです もうすぐ終わりです ゴーーーーール
ゴール地点は福崎町青少年野外活動センターここであわや楢山節考
下山口にある福崎町青少年野外活動センターは、山小屋やテントサイト等を整えたキャンプ場です。次回はここでキャンプをして七種槍を目指しましょう。ここで姫を忘れて帰りかけました。楢山節考かあー。右の写真でも解るように靴を履いていないでしょう。ジョンが負ぶって行ったんです。オリオンさんがデポした車を回収してきたらみんなでザックを積んで車両に乗り込んでいざ出発と思いきや、姫のザックが駐車場にポツリ。「姫どこにいったんやー」辺りを見渡すと階段で一人黄昏ていました。「そやー登山靴は綺麗に洗って仕舞ったんや。オリオン号が帰ってきたら足元からサンダル出してって言われてたんや、忘れてたー」 ジョンが頭をカキカキ階段まで行ってまた背負って車まで。…あくる日ジョンはキックリ腰。
帰りの温泉は塩田温泉郷・ゆめさき川温泉、塩楽荘
帰りの温泉は日本三彦山の名峰雪彦山の源流に端を発し、緑の山々と木立の情景を映し出す、のどかな山里を悠々と流れる清流・夢前川に湧き出た塩田温泉郷・ゆめさき川温泉、塩楽荘です。ここは大阪市立の公共宿泊施設のため、リーズナブルな価格、500円で入浴できます。露天風呂もついてます。この日は連休最後と言うことで宿泊客も少なく、男湯はオリオンさんとジョンの2名だけ、女湯も貸切状態だったようです。
姫が面白い情報を手に入れています。次の山行でぜひ聞いてください。
みんなの感想
オリオンさん
念願かなった七種山でした。天気も許容範囲でしたし、ちょっと厳しかったけど良いコースでした。
下山後、管理棟から車デポ地点の山門まで、「GPS記録を取りたいから」と申し出て、1人で約2kmの山道を歩いていったのですが、途中に、
『熊出没に注意!』の看板がありました。周りに誰も人がいない寂しい道で薄暗くなってくるし、『もし、本当に黒いのがニョーッと現れたら、どうしよう・・・』と真剣に悩みながら、早く車地点に到着したいという思いで、小走りで車地点に到着した時はホッとしました。何に出くわすかわからないので、この様な時でも、1人で行くのではなく、最低2人でと思いました。
ミマッチ
久しぶりの岩場で楽しかったです。体力的に心配しましたが何とか歩けて良かったです。
ベガさん
午前中は岩が濡れていて恐かったけど後半は何とか歩けたように思いますが厳しい山でした。たいした雨にもあわず良かったです。
くろねこさん
上がったり下がったりアップダウンの多いコースで最後まで歩けるかどうか心配しましたが達成できてよかったです。
ひめ
良いコースでした。何で今まで此処に来なかったのか疑問です。次は七種槍往復を楽しみたいです。
ジョン
無事に終わって一息ついています。確実な歩行技術と三点支持を要求されるルートでした。

参加された方は上記のMAPをよく読んで実際の地形を思い出しながら確認してください。
文:ジョン00000 写真/GPSデータ:鹿島秀元