Yamatabi-CLUB000
往路 1日目 2日目 3日目 4日目 復路
「台風6号をUターンさせて、爺ケ岳&鹿島槍ケ岳&五竜岳&唐松岳 登頂」
 
●(第4日目・7月20日(水曜日)天候 雨のち曇り )

今日のコースは今回で一番長い距離を歩く予定です。予定は唐松山荘までとしていますが手前の五竜山荘前を午後1時に通過できない場合は五竜山荘で宿泊するという無理をしない流動的なタイムスケジュールであることを説明し、体調不良の時は遠慮なく申し出てくれるようミーティングをしました。雨が降っていることから途中で弁当を食べるのは困難であると考えて小屋泊まりにしては珍しく朝食を食べてからの出発となりました。今朝も雨具を着てスワミベルトをつけて出発です。
タイムスケジュール
 05:40 キレット小屋 出発
 08:30 北尾根の頭
 11:50 五竜岳
 13:20 五竜山荘
八峰キレットに劣らず「G5」「G4」など厳しい岩稜帯の尾根の通過になります。疲れもピークに来ていることから慎重に足運びをしないと滑落即死亡となります。オリオンさんが「命がけやなぁ」とつぶやいていましたが「とにかく頑張ろう」と勇気づけて五竜岳めがけて前進するのみです。
キレット小屋を出発です…エイエイオー キレット小屋を出発 八峰キレット小屋
梯子も怖いですぅ〜… 梯子が外れたらどないしょう
鎖場と梯子の繰り返し、時には切り立った崖の谷間にかかる丸太の上を越えなければなりません。「G5」の岩場で一瞬足がすくむ個所にさしかかりました。「全員が待機するには狭すぎるし落石もあるかも知れないので一人が無事登り終えたら次の人が来てね」そう伝えて姫が先頭に鎖をよじのぼりました。思っていたよりも手も足も置く位置がありそうです。「大丈夫!次の人どうぞっ!」危険個所を無事通過し、うしろの靖ちゃんの息遣いを聞くために振り向くとなんとガスが晴れて山々は美しい景色に変わっています。みんな前ばかりに気を取られているため気が付いていません。「早くっ!早くっ!振り向いて!」
ちょっと小休止 だいじょうぶですかー
赤抜のザレ場 危険な岩場が連続します
危険箇所が続きます 五竜の名所 グラード 5
剣岳、富士の折立、別山・・・一瞬雲が切れて姿を現します。。そしてまたすぐガスがかかり雲のベールを被ります。
大きな山をいくつも越え、遥か彼方に見える五竜岳を見上げて靖ちゃんがとうとう「休憩したいです」と訴えました。相当疲れが出てきた様子です。元気印のオリオンさんも「あかん・・・しんどい」と珍しく弱音を吐いています。姫のリュックの中にあったフルーツパックを出し、靖ちゃんに、甘い汁を飲ませ、ミカンの缶詰を口に無理やり掘り込みました。こんなところで遠慮は禁物です。みんなで小屋に到着するためには、みんなで助け合わなければ喜びはありません。オリオンさんにもお裾分けをし、少し元気が出たみたいです。
「さぁ頂上目指して進むよっ!」「ハイっ!」ストックをしまったり、出したりとその場の状況判断を瞬時に行い、やっとのことで五竜岳山頂に到着しました。山頂の景色はどうだったのか、きついという印象が勝って記憶にあまり残っていませんが、非常に厳しい山であるという事は間違いありません。事故の多い山として有名ですが、なるほどとうなづけます。予定では頂上からは1時間ほどで五竜山荘に到着ですが、われわれはもう少し時間がかかりそうです。山頂で正午を迎えていますので今夜は唐松山荘ではなくて手前の五竜山荘泊まりになるかもしれません。とにかく、無理をしないことです。
五竜岳の山頂で…満足そうな 顔 カオ かお KAO
額装の写真のつもり 着いたでついたで…感動の抱擁
五竜山荘の屋根が見えてきました。五竜山荘前13時を過ぎているため、唐松岳山荘まで行くのはやめ、今夜は五竜山荘泊まりとします。受付を済ませ、またまた乾燥室まで人間丸ごと直行し濡れた衣服を乾かします。着替えは十分持ってはいるのですが濡れたままの衣服をリュックに詰めると重さに微妙に影響してきます。今日も我々4名とあと1人おじさんの宿泊者がいるだけです。部屋もゆったりと使えます。廊下からはカレーの良い匂いが漂っています。

あんなにへばっていた靖ちゃんなのに小屋の前にコマクサが咲いているという情報を聞きつけ元気に出かけていきました。私はそんな元気はありません。小屋の中でお昼寝状態です。
台風は和歌山に上陸してUターンしたとか、少ない情報ではありますが直撃は免れたみたいでホッとしました。「あいつら、いま五竜岳に行ってるけど台風で立ち往生してるんとちゃうか?」きっとみなさんそう思われていたのではないでしょうか。私たちは出発日だけ暑い、苦しい思いをしましたがあとはミストサウナ状態の霧雨に見守られて切り立った馬の背ではガスに助けられ、頂上ではガスを吹き飛ばしの繰り返しでストレスのない山行を連日続けることができました。予定を変更したことから、最終日は唐松岳まで余分に歩くことになりましたが想定内の出来事で、体力も回復していますし何とか頑張れるでしょう。到着時間は13時20分です。お星さまとの出会いはゼロ!                                              五竜岳山荘 泊
  オリオンさんのこの日の感想
キレット小屋を出て昨日もかなり厳しいとこを歩いていましたが
昨日にまけず厳しいところがいっぱいありました。最終的にキレットから五竜岳に
向かうとき、途中で左に剣岳、立山連邦が、一瞬に見えたのがラッキーでした。
五竜岳に登り五竜山荘までも結構長くて厳しかったです。今夜は五竜山荘泊まりです。
  靖ちゃんのこの日の感想
キレット小屋を出発して五竜岳に行くコースでしたが、昨日に劣らず、凄いところがあって怖かったです。この日も雨、五竜岳に登る途中で少し晴れ雲が切れて剱岳が見えたとこに喜びようは言い表せません。最高!
五竜山荘の側に咲いていたコマクサは可愛かったです。
  JONのこの日の感想
この日もキレット小屋を出るなり岩場の連続です。昨日キレットで充分練習を積んだせいか全員確実に歩を進めています。口ノ沢のコルへの長い岩場の下り、それを終えると北峰の頭への連続した登り、息つく暇もありませんが順調に進んでいきます。怖さと苦しさで疲労もピークに達した頃五竜岳の頂上に到着できてよかったです。
  姫のこの日の感想
トップを歩いていると、危険通過の際や浮石などの注意の呼びかけなど歩くこと以外にも注意をしなければいけいことが多く、、常々のリーダーの苦労が理解できました。「グラード5」「グラード4」などの険しい岩場の通過も楽しくて胸がわくわくしました。今まで怪我をした時は、いつも私がトップを歩いていた時なので、慎重に岩場を通過できてホッとしています。


美智子姫:記    写真/GPSデータ:鹿島秀元000
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