Yamatabi-CLUB000
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日本で一番山深い所にあるため、本格的登山者しか行くことのできない、秘湯中の秘湯…高天原温泉の露天風呂に…入浴だあ〜い!
●第5日目 9月8日(木曜日・快晴)
朝食の後、「白波五人男」さんの一人の方が足の具合がよくないということでテーピングをしてあげることになりました。白いスポーツテープのほうが適していたのですがあいにく茶色いキネシオテープしか携行していなかったためとりあえずそれで処置。
今日のコースは「白波五人男」さん達は薬師沢から雲ノ平に向けて、私達は大東新道を高天原温泉に向けて進みます。
小屋の前のテラスでみなさんと一緒に記念撮影をして、「白波五人男」さん達とはここでお別れです。
「お元気で」「またどこかで逢えるといいね」「六甲山にもきてくださいね、薩摩白波たっぷり用意しておきますね」名残惜しいですが私達が先に出発しました。

小屋前の赤い吊橋を渡り、鉄の階段を伝って黒部川奥ノ廊下に降り、巨岩転岩の織り成す河床を岩飛びしながら進んでいくことになります。
タイムスケジュール
07:00 薬師沢小屋
08:10 A沢出合
08:40 B沢出合
09:50 C沢出合
10:15 D沢出合
10:35 E沢出合
11:45 高天原峠
12:50 高天原山荘
河床を歩きながら、薬師沢出合に建つ薬師小屋を振り返ると「白波五人男」さん達が渡っていかれるところでした。
「さようなら…こっち向いてくださーい」思わず撮った数枚です。
山男ですねぇ。酒をこよなく愛し、山を語らう。昔は彼達のような山男ばかりがアルプスをキスリングを背負って山行し、夜は肩を寄せ合って山の歌を口ずさみ、手拍子を叩き、時には春歌を披露していた光景が、「白波五人男」さん達とお話していると目に浮かびます。
この五人のつながりは仕事関係なのか、飲み友達なのか、非常に興味が沸くところですが、最後まであきらかになりませんでした。
赤木沢遡行の時は河原におりて黒部川を遡りましたが、今日は赤い吊橋から下流に下り、最後の秘境と言われている雲上のオアシス高天原に向けて進んでいきます。大東新道はかなり危険な道ではありますが慎重に行けば大丈夫と言うことになり岩をまたぎ沢をよこぎりの繰り返しで長くてつらい道のりでした。沢登や岩登りの経験があればこそ、恐怖心も薄れてスムーズに前進できるのだと思っています。高天原峠までの道は長く厳しく5日目ともなると無言の時間が多くなってきました。パートナーも疲れているのでしょうか。誰が名付けたのかここも「一般登山道」なのかと思うほどの危険がいっぱいの道のりでした。
梯子、鎖、沢を5つもまたぎ、すでに5時間も休憩せずに歩いていました。左に薬師岳を見ながら、青い空に、白い雲、そびえる山々、水芭蕉の花のコロを終えた大きな葉が木道の両側を飾っていました。花がなくてもとても綺麗です。
鎖場もピンがとんでいる状態です 鉄梯子も少々くたびれています A沢の出合を通過
流れを避けるために上に上がって巻いていきます この雲は雨の前兆?
大東新道から見た薬師岳の山塊。昨日は、この山塊のほぼ中央を北から南へ歩きました。
やっとの思いで高天原峠に到着しました。
峠には「あせらずに行こう、お花と温泉が待ってるよ」と看板があり心を癒される思いでした。ここから右に行けば雲ノ平、明日歩くコースです。
あと1時間ちょっとでランプの宿と言われる「高天原山荘」に到着するのです。
急な坂道を下っていき、最後の沢の「岩苔小谷」で山ガールと出会い挨拶を交わしました。「もうすぐですよ」と声をかけてくれましたが登山者の「もうすぐ」は信じていいのかなぁ・・

草原の中のシラビソの林の中に、小屋の赤い屋根が見えてきました。
新しくなった高天原山荘です。
しかしこれから小屋までが長く感じました。
どこの小屋も見えてからの遠いこと、遠いこと!
高天原に到着です。広い広い草原です。右手奥が山荘です
岩苔小谷を通過 高天原の木道 高天原山荘 昼食はカップラーメン
小屋で覆われた女性製風呂 JONは露天風呂でーす
やっとの思いでチェックインを済ませ、タオルと着替えを持ち、標高2100mに湧く天然風呂「からまつの湯」に入りに行くのです。何があっても行かねばなりません。肩の荷物が軽くなったことと、温泉が目の前にぶら下がってることもあり足取りは、とても軽いです。この温泉は雨だと温度が低すぎて入浴できなくなります。ふと、屋久島の海辺に湧く温泉のことを思い出しました。あの時も満潮の来る、わずかな時間を利用してみんなで混浴しましたよね。わずかなチャンスでも逃さないのが、思いで作りには必要ですものね。河原で山ガールが風呂からあがりくつろいでいました。「良いお湯ですよ」そう声をかけてくれました。水晶岳から温泉沢の頭から下山してくる人もあり、高天原の河原は結構にぎわっています。
この温泉を目当てに訪れる人は私だけではないみたいで薬師沢から高天原までの長かった道のりを耐えられるのは温泉効果なのでしょう。入浴後は、汗で汚れた服を、川で洗濯をしストックに吊るし戻ってきました。
高天原山荘のテラス 山荘の夕食 山荘の寝室
今夜の宿もかなり混雑している様子です。湯上りのテラスでゆっくりと水晶岳にかかる月を楽しみました。隣では望遠レンズをセットした若者が撮影をしていました。
テラスから目の前に広がる広大な景色を楽しみ、地図を広げて明日のコースの確認をしながら至福の時間を過ごしました。

夜中に「星を見てくるわ」と出かけたジョンがすぐ戻ってきました。
「星が出てなかったの?」と聞くと「ドアが開かへんねん。右に引いても左に引いても開かへんから戻ってきた〜」って・・・
「そういえばここのドアは観音開きだったよ!ハハハ」
「そーかー。オイラもぼちぼち年かなあ」


美智子姫:記    
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