花見のタイミングを逃したから石を見に蓬莱峡へ
蓬莱峡はヒト・ひと・人・アイゼントレーニングや岩登り講習で人がいっぱい!
ジョンのめまいの荒療法を兼ねて蓬莱峡へアイゼントレーニングに出かけました。日曜日という事もあって、さぞかしバスも、ゲレンデも混雑するだろうという事で宝塚発8時台のバスに乗り込みました。乗客のほとんどが大きなリュックにピッケルを刺している登山者ばかりです。「しるべ岩バス停」で10人くらいが降車しました。しるべ岩から蓬莱峡に移動するらしいです。座頭谷バス停でほとんどの乗客が降車しました。「やばっ!今日もロープ張る場所ないなぁ」と心配していましたが、みんなは団体のためミーティングが長くかかり私達は小屏風にロープを張ることができました。
小屏風岩にロープを構築 久しぶりに攀じ登る小屏風岩 下りはロアーダウン
       
 ビレイは真剣に  形が悪いと怒られます 構築を解除して懸垂下降   今日はこれぐらいにしといたろ
小屏風を5本登攀することが出来ました。登攀5本と言っても同じ場所から登攀させてくれるはずがありません。回数を重ねるごとに難しいルートを指示されます。「よぉ〜見てみい!手もある!足もある!」ビレイをしている師匠から檄が飛んできます。1本1本丁寧に登攀を繰り返すと、最後に大好きな懸垂下降の許可がでました。
「支点を撤収して懸垂や!順番を間違えると落ちるぞ!死ぬぞ!」脅しではありませんが、ええ加減ではあかんという事です。
ゲレンデは次発のバスが到着したのか人が増え、ロープを垂らす場所がないほどに満杯になりました。水分補給をした後に本来のアイゼントレーニング場所であるザレ場に移動することにしました。連続登攀のためヘロヘロです。
蓬莱峡は大賑わい イタドリを 一本見つけて おおはしゃぎ それぞれのパーティが頑張っています
アイゼンは置くのでは打ち込んで歩きます。氷の上では歯の状態が悪いと、置いただけでは滑る場合があります
危険な箇所では確実な構築をして下ります   
蓬莱峡のザレ場は、六甲山のピラーロックと違い場所も広大で、コースも多数あり、高度もかなりあることから春山を目指す山岳会のメンバーが多く利用されている様子です。地面にはアイゼンの跡が無数に残っていて練習を重ねていることがよくわかります。急な登りや急な下り、痩せ尾根の通過、下山不可能な場所は倒木を支点にして懸垂下降です。いかなる場合もロープの出し入れを面倒臭がらないことを身体で覚えていきます。 
ここで2時間ほど練習を続けて「ちょっと早いけど弁当にしよう」と休憩をしているとジョンが以前所属していた山岳会の会長さんがひょっこりやってこられました。「あとのバスで15人ほどやってくる」とのことでした。
知らない人ではないし合流してトレーニングに参加させていただくことにしました。ジョンは指導者のお手伝いも兼ねて練習に加わりました。
山岳会15名の人達は春の唐松岳登山に向けてのアイゼントレーニングだそうです。アイゼン装着が初めての人、新品だとすぐわかるピッケル(透明のビニールがついてますよ〜)など参加者のレベルもさまざまですが、目指す目的の山は一緒という事で真剣なまなざしで練習に取り組んでおられました。
経験者をリーダーにし3グループに分かれて歩行訓練、ザイル操作、アンザイレンの練習と、みっちり中身の濃いメニューです。お弁当タイムなどはなく、それぞれが休憩時間をうまく利用して、パンやおにぎりを頬張っていました。人の練習を見学するのも刺激になり貴重な体験です。自らも初心に返り練習の後尾について歩きました。お邪魔かも知れませんでしたが快く受け入れて頂き感謝申し上げます。  
早朝からの練習でしたので一足先にバス停に向かう事にしました。「ありがとうございました。お先に!」と声をかけザレ場を後にしました。別れ際に、ジョンと会長のヒソヒソ話が耳に入りました。「いつものアソコで一杯やろう!」アソコとは宝塚駅地下にある中華屋さんらしいです。  
バス停に向かう途中、今年初めて大量のイタドリを見つけました。1本・・2本、疲れて足が動かないとつぶやいていた姫の足は、空を飛ぶのではないかと思うほど速足になりました。「あった〜!」蓬莱峡でイタドリ採りに精出す登山者は他に誰もいません。バス停近くの鉄の門付近にもイタドリを見つけリュックを放り投げて崖をよじ登りました。
「あったよ〜!小さいのは次まで置いとくわ〜」

「おい・おい・また来るのかよ〜」
「また、岩登りに来るでしょう。 アッ!バスが行ってもうた〜!」
イタドリ採りに熱中していて午後4時00分のバスに乗り遅れてしまいました。姫は「♪宝塚まで歩いたら途中でイタドリあるかもね〜♪」と乗り遅れても悪びれる様子はありません。皮肉なことにバスは半分くらい座席が空いていました。「あ〜あ残念ね」口先ばかりのお愛想を言っている姫の目はまだイタドリを探していました。凄い執念です。
次のバスは午後4時34分です。バス停で待っていると多くの登山者たちが帰ってきました。ジョンの所属していた山岳会の皆さんも帰ってきました。「アレッ?前のバスに乗らなかったの?」理由を説明するのにイタドリを見せると苦笑されてしまいました。座頭谷のバス停は到着した者から順番に整列しバスを待つことになりました。ざっと30人はいるでしょうか。もっと多いかもしれません。「全員乗れるかなぁ」そんな心配も出てきました。
バス停で待つこと30分、有馬からのバスが到着しました。
4時00分のバスよりも乗客は多そうで空席はありません。
私が先頭に乗り込み整理券を取り後部に歩み寄ると何と懐かしい「サスケ先生&うららちゃん」が目に入りました。有馬からの帰りだそうです。
「お久しぶりです!」とサスケ先生達のそばでお話をしたかったのですが何せ30人余りの人達が乗り込んできます。しかも大きなリュックを全員が抱えており、奥へ奥へと押し込まれギューギューです。人垣で大切なイタドリが折れては大変と、うららちゃんにイタドリを預かってもらいました。イタドリは21日が父親の祥月命日で姉の家に行く時に料理してお供えしようと思っています。きっと懐かしがってくれること間違いなし!身動きする隙間もないほど満員ではありましたがカーブを何度が曲がっているうちに隙間ができ息苦しさは解消でき20分ほどで宝塚駅到着です。

サスケ先生とうららちゃんに挨拶を済ませ、ヒソヒソ話先である中華料理屋に行きましたがここも登山者で満席、しばらく空席待ちとなりました。やっと座席が確保できて、まずは生ビールを注文したのですが「忙しいのでピッチャーで注文して下さい」と何とも無愛想なこと!料理を注文しても笑顔がありません。全員がそうではなく愛想のよさそうな店員を見つけて手招きし注文をしました。話題は今日のトレーニングの話と山の話で、料理もお話も満腹状態です。(笑)

店の中に空席が目立ちはじめ、店員さんも落ち着きを取り戻したようで「空いたお皿いただきま〜す」と無愛想な店員が来たため、姫がすかさず
「落ち着いて余裕が出たんやね。さっきの顔めっちゃ怖かったで〜」とやんわり毒針を刺しておきました。
お客様はいま来たばかり、忙しい、忙しくないは店側の理由。いかなる時も笑顔が必要です。厨房で汗を流して料理を作ってくれるコックさんの料理を美味しくするのも、まずくするのも店員の応対しだいやで!

車窓から見るサクラは、薄緑の葉を出しています。見ごろは、もうおしまいみたいですね。
海老江駅までお互い、酔いがまわりうつろな眼差しで、時々意識も飛びながらではありましたが無事に帰宅することができました。
0 美智子姫:記0000