アルパインクライミング
「佐土新の岩尾根ルートはツツジが満開」
春山のアイゼントレーニングを何度が実行し、今日は総仕上げに歩荷トレーニングをしようと言うことになりました。芦屋はポチのテリトリーにつき、姫、ジョン、ポチの3人で長距離コースである芦屋川から高座ノ滝、高座谷に沿って登りと魚屋道から雨ケ峠を経て、東お多福山、いったん林道まで降り、再び登り返して蛇谷北山から石ノ宝殿へ、そこから六甲全山従走路を宝塚までを歩くことにしました。
午前8時淀川で3人が合流し阪神芦屋から川沿いに登って行きます。前回は賑わっていた川の畔の桜祭りは今日は無く静かです。ただザックを背負ったハイカーの姿が多く見られます。
いつもどおり混雑している阪急芦屋川駅前北側の広場を抜けようとしたその時「ジョンさん!ジョンさん!」と聞き覚えのある声がして、振り向くとジャムジャム君達、山岳会の4人の姿にびっくり。猛者たちも春山「唐松岳」に行くための歩荷訓練に出発しようとしていました。
「やぁやぁ偶然ですなぁ〜」という事になり高座の滝まで世間話をしながら一緒に歩くことにしました。猛者たち3名は雨ケ峠から七曲りを経て有馬へのコースだそうです。ジャムジャム君は地獄谷から風吹岩から八幡谷を目指すとのことです。
目的は歩荷訓練と同じなのですが私達は予定通り宝塚に抜けるコースを行くことなど話しました。
午前9時40分高座の滝を同時に出発し、ジャムジャム君は地獄谷へ、猛者たちはロックガーデン中央稜に、私達は高座谷コースへと進みました。
「今日はイノシシがいないね」
そんな話をしながら谷筋を歩いていると、目の前に大きなイノシシが現れました。「どいて〜!。私達はそっちへ行きたいねん。今晩のおかずは決まってるから…牡丹鍋の心配せんでええよ」
と言ってみたものの前進してくるではありませんか。ジョンを盾にして恐る恐る近づき記念写真を撮りましたがこわかったです。
中央稜は人が多く、朝の時間は下山する人がいないものの土曜日とあってかなりの人が歩いている様子でした。1週間前に満開だったツツジも散り、新緑の若葉がとても美しく空は澄み、初夏を思わせるほどの暑さで「水2本は少なかったかなぁ」と後悔しながら、1時間ほど登ったところで休憩を取りました。冷蔵庫で冷やしておいたフルーツゼリーが喉元に涼しく通り過ぎていきました。「今日は少しへばり気味やわ」と姫が弱気な発言をしており、少しジョンやポチの列から離れて歩くようになりました。「ポチは芦屋コースを何度も歩いているだけの事あって元気やなぁ。この調子ならアルプス行けるで!」とジョンがポチを誘導しましたがその手には乗らぬとばかり意思は固く「いやぁ怖いとこはパスさせてもらいます」
雨ケ峠でリュックをおろしオレンジを頬張っていると、中央稜コースを登ってきた猛者チームが到着しました。お互いの健闘を称え私達は東お多福山へと進みました。ここは雪のある時に一度訪れていますが、こんなに長いコースだったのかと思うほどでした。空を見上げると兵庫県警のヘリコプター「ひよどり」が何度も何度も上空を旋回しています。「見回りかもね」と事故でないことを祈らずにはいられませんでした。
 奥池の町並み
 東多福山山頂  蛇谷北山の山頂にて
もうすぐ北山の頂上だと言う手前で、とうとう姫が「お昼ご飯にしたい」と言い出しました。よほどつらいみたいで広い場所で日蔭を探してお弁当を食べることにしました。食後は元気回復したらしくジョンとポチに遅れることなくついて歩くことができました。気温は30度を超えていたと思います。軽い熱中症だったのかも知れません。とにかく足が重くつらかったです。 
食事を終えて3分ほど登ると蛇谷北山の頂上です。
ここから小さいながらもいくつかのアップダウンを繰り返していき広い台地に登りついたところが石の宝殿です。休憩がてらお参りをして道中の安全をお願いしました。
ここからしばらくドライブウエイを歩きます。
2本しか持ってきていない水分が底をついてしまいました。
「そや!ポチが氷を持っているはず!ちょうだ〜い!」とポチから氷をもらい口に含み、腹の中からクールダウンをしながら車道を進んでいくと、登山道は左に分かれて全縦路に入ります。ここの看板に目をやると「宝塚まであと12qです。頑張って!」と書いてあります。「え〜っまだ12qもあるの?」ちょっとめげてしまいましたが、進むしかありません。ジョンが「大丈夫や。ここからは98%下りやから」と慰めてくれましたが嘘ばっかり!(60%が下りで40%は登りでしたよ) 
丁度この辺りで宝塚を朝出発した人たちと出合います。「こんにちわ。暑いですねぇ」と挨拶を交わしながら幾組かのパーティとすれ違いました。
あきらかにアルピニストと思える人たちは良いのですが、六甲縦走の下見と思われる人が多くコースのチェックをしながら足早に通り過ぎて行きます。そうかと思うと小さなリュックで見るからにウォーカーと思われる人達も多く、私達を追い越しては少し先で休憩をし、また私達を追い越して行くを何度も何度も繰り返していました。どうも、スピード配分ができていないみたいです。「今度、真後ろに来ても道を譲りたくない!」と姫がカンシャクを出す始末です。 
 北山の尾根
 宝塚の街並み
午後3時を過ぎていると言うのにまだ登ってくる登山者がいます。一体どこまで行くのだろうかと聞いて見たい気もしました。今日は久々につかれました〜。しばらくは芦屋から宝塚コースは封印で〜す。(笑)今日はほんまつらかったです。宝塚の町に出る寸前で数本のイタドリを見つけましたが既に葉が出ており採取するに値しないものばかりでした。それでも5〜6本は懐かしさも手伝ってリュックに差して帰りました。私はイタドリをリュックに差していましたが、リュックにストックをさしたまま下山している人を多く見かけました。膝を守るためにはストックは必需品です持っているなら使用する、使わないなら持参しない、ストックはリュックのオブジェではありません。それに膝が痛くなってから使う物でもありません。  
 どうにか下りたよ  若者は元気ですねえ  しんどくてもこれだけは
今日で春山訓練はおしまいです。訓練を無事終えたので5月の連休に雪の西穂高に行くことにしました。でも連休の天気があまりよろしくないみたいで出発までは天気予報とにらめっこです。独標から先は危険個所があり風が強かったり、天候が悪ければ、引き返すと言う条件付きで出発予定です。 
(教訓)
●汗をかかない歩き方をするためには、一定した歩幅を保ちながら、ゆっくりと進む。水分は休憩時にリュックから出すのではなく歩きながらでもこまめに取れるように工夫、行動食は水気を多く含んだ物を用意し、雨蓋など容易に出せるところに入れてこまめに取る。メンバーは歩調を合わせる。
(ポチの感想)
芦屋から有馬は私のお気に入りコースですが東お多福山から宝塚は滅多に歩かないので距離の長さに閉口しました。今日は特に暑かったので魔法瓶に氷を入れて持っていたのが役立ちました。

(姫の感想)
暑さに身体がついて行けなく、つらかったです。六甲縦走コースの一部を歩きましたが、とても私には真似はできません。
行動食も水分の多い夏バージョンにし、水分も冷やして余分に持参しなくてはと痛感しました。歩荷訓練ではありましたが色々感じさせられる1日でした。

(ジョンの感想)
完全復帰までには、もう少しかかりそうです。
トレーニングを積んで、難しい山を安全に登る、このスタイルをつらぬきたいですね。

0 美智子姫:記0000