クライミング講座 第4弾
「 クライミング講習 in 佐土新岩尾根 」 4−3
天気予報によると2日の土曜日は全国的に雨の予報でした。そのため万が一雨ならば日曜日に順延と言う連絡をしあいながら、土曜日の朝を迎えましたが曇り空でクライミング日和の様です。あまり太陽に照りつけられると夏バテしてしまいます
JR大阪駅の5番線、先頭から3〜4両目付近午前8時発の播州赤穂行きに乗り 「ひめじ別所駅」 で下車。神姫バスを利用してゲレンデに行くのです。
「まもなくひめじ別所駅〜」のアナウンスがあり降りる準備をしていると、ひょこっと見覚えのある登山者を見つめました。「今ちゃ〜ん」私がそう声をかけると「おお〜あんた達も山神のゲレンデかいなぁ?」と話をしながら改札口を出るとジョンが所属していた山岳会の人達5人が遅刻した今ちゃん待ちをしていました。
私達はバスを利用するのですが、その方達は山神のゲレンデまで歩くそうでお互い怪我のないようにと声を掛けあい別れました。
バスを降りて15分ほど登ると岩場の取り付き点に到着です。汗をぬぐい、岩場を見上げ、心の準備をします。「雨は大丈夫かなぁ」と曇り空を見上げ心配していましたが「大丈夫!家に帰るまで一滴も降らないって〜!さぁこれでも飲んで頑張ろうっ!」と姫特製のアイスティーを飲み講習のスタートです。
ゲレンデは六甲山の岩場と違い、ゆるやかに見えますが、これがなかなかどうして難所もありルートを変えてフリークライミング3本の登攀下降の練習を終えました。ビレイの練習もしっかりと学習し、ジョンが突然に落下をし手にかかる衝動を体験してもらいました。このようなハードな講習を続けているうちに「KAZUくん」は岩場に慣れ、恐怖心も消え、エイト結びもしっかりと学習してきておりスムーズな登りをしております。気になる個所は登攀途中であってもストップし注意点を指摘します。
徹底的にビレイの訓練…人の命を預かるわけだから…大変だぜい。
「ここはこれくらいにして次はアルパインの練習をしよう」という事になり昼食を済ませ、リュックを背負い、いきなりの馬の背への挑戦となります。トップはジョン、2番は「KAZUくん」最後を姫が行きます。ジョンと「KAZUくん」は青いロープで繋がれ、「KAZUくん」と姫は赤いロープで繋ぎます。
「KAZUくん」のハーネスループには青と赤のロープが装着されています。まずジョンがリードで登ります。次に2番手の「KAZUくん」が登りますが途中に掛けているヌンチャクの掛け替え作業があり右手だけでカラビナ操作をするように指示をしました。
さあ、いよいよ登攀開始です
下で待つ姫の赤いロープが順調に引き上げられていきます。ロープの流れを見ているとトラブルなく順調に登っていることがわかります。長い馬の背は樹木がさえぎりお互いの姿を確認することはできません。時々掛け合う「大丈夫か〜?」「大丈夫で〜す」の声でお互いの動作を確認し合うのです。
岩尾根登攀は楽しいなあ
 此処から少し登れば終了点です  終了点到着でーす
 山岳会のメンバーは隣の岩場でクライミング中
3ピッチを終了したところで休憩を取りました。今朝、駅前で出会った人達の姿も山ひとつ越えた隣の場所で姿を見ることができました。
尖った岩峰の上にあがりアンザイレンを解除、登攀道具を仕舞い、ここからは一般登山道となります。クライミングシューズから登山靴に履き替え、今から行く桶居山を見上げ、重い荷物を背負い、ゆっくりとアップダウンを繰り返しながら進んでいきました。
「なぜ岩場を避ける?みずから進んで岩場歩きをすると上手くなるんだぜぇ〜」と檄が飛び、トップを歩く「KAZUくん」も、みるみるうちに岩場歩きが上手になって行くのがわかります。私達は老体の上にロープの入ったリュック15sを背負っているため「KAZUくん」の足並みには付いて行けません。
「年寄を2人連れていることを忘れるなっ!」ジョンの言葉に、まるで後ろに目があるが如く細やかな配慮のもとに桶居山に到着しました。5月20日の播磨アルプスでの写真に魅せられて「KAZUくん」は桶居山にどうしても登りたかったそうです。  
同じ場所で同じように記念写真を撮り林道に出たのが15時20分、それから集落を抜けて山神社で顔を洗ったりシャンプ―もどきをしたりして疲れを癒しました。境内で遊んでいた20歳過ぎの若者が私達に近づいてきて、荷物の大きさから多分クライミング帰りだと感じたのでしょう「このあたりでクライミングをする場所はどこですか?どこか教えてくれるところ知りませんか?」と聞いてこられましたが我々は大阪の人間なのでクライミング教室なるものは知らないがゲレンデについては「佐土の岩場」と「山神の岩場」を紹介しておきました。若者が「雪彦山はどうでしょうか?」と聞いたのでジョンが「あそこは練習を積み重ねてから行く所」と初心者では無理であることを教えてあげました。
桶居山の頂上で   下りは絶好のトレーニング場  登山口の神社で  ちょっと一杯
バスに乗るには1時間以上待たねばならないため別所駅まで歩くことにしました。途中の水田では機械で田植えをする人達に出会い、姫が立ち止まり見惚れていました。それとは知らず、先を歩くジョンと「KAZUくん」が振り向くと、まだ田植え風景に見惚れている姫がいました。故郷を思い出しているのでしょうか・・・・
山岳会のメンバーは駅前で一杯 姫はもうヨッパライ状態 何とか電車に乗って大阪へ
途中にある「別所食堂」の旗が風に揺れており、思わず吸い込まれてしまいました。「第3回講習無事終了しました。カンパ〜イ!」疲れた身体をビールで癒し、駅までの10分間をクールダウンしながら戻りました。ん?駅前のオブジェの陰に動く頭6個みっけ〜山神ゲレンデの人達も練習を終え駅前を利用して酒盛りをしていました。挨拶を交わし一足先に電車に乗り込み1時間あまりの乗車時間を眠るでなく熱い山談義を交わしながら大阪駅まで帰りつきました。
 ジョンの感想
回数を重ねるごとにうまくなってきています。今後大切になってくるのは危機管理です。怪我につながる注意点は必ず守ってください。

●ビレイ中は相手の命を預かっています。このとき落下した石の粉が目に入ってビレイができなくなったとしたら大変…保護メガネが必要!。
 岩場で使う保護メガネは傷がつきやすいので、良い物はいりません。1000円くらいのサングラス、色の薄いものでいいでしょう。
 作業用の保護メガネでも良いです。

●ロープの操作中、首に巻いたタオルを巻き込んでしまったら大変…女性の長い髪がロープに巻き込まれて大怪我をした例もあります。

●襟付きのシャツを着る…ロープで首筋を火傷した例は少なくありません。

●言われたことだけを守るのではなく、どうすれば安全かということを絶えず考えながら楽しんでください。

●六甲山系の岩場でも、毎年1件以上の死亡事故が発生していることを知っておいてください。ヒヤリ・ハットを起こさないように。
0 美智子姫:記0000