2013.8.14-16
 8月14日(水) 名塩を出発して…一路四万十川へ。
連日のニュースで四万十市の名前を聞かない日はないほどに今年は怪現象が起きているみたいです。地元の人は言いました
「芝生の上の観測計ではなくアスファルトの上の観測計じゃけん、日本一にもならぁよ〜!」
最高気温の江川崎の町では100円のカキ氷が41度の気温に合わせて41円で販売しているそうな・・・それを見物に行く観光客も多く、地元の人達は狭い道の行き交いのヘタな町の人にイライラしているそうな・・・・
 いざ、出発です  車の中はゆったり 四万十川での予行演習 
そんな四万十市が私の故郷です。従姉妹の初盆に次男一家と極暑の四万十に帰ってきました。
14日西宮名塩駅午前7時に息子達と合流です。子供達のテンションは限りなくハイテンションで明石大橋を通過するときには突然現れた海に興奮し「海が見えへ〜ん、もっとゆっくり走って〜」とパパにせがみつつ渋滞もなくトイレ休憩を何度も取りながら、わずか5時間で四万十市街に到着しました。高速道路が順次延長され現在は窪川まで高速道路が完成し四万十市への道のりも随分短縮できていました。しかしその陰で今までの高速道路の終了点にある「道の駅かわうそ」に立ち寄る客が減少したと道路1本で生活が大きく影響することも事実です。
四万十市に到着し、まずはコーナンに立ち寄り墓参り道具を買い求め両親の墓参りに行くことにしました。ひ孫達は初墓参りで草葉の陰から「よぉ来たねぇ」と声が聞こえそうでした。一匹の蜂が飛び回ったため慌てて車に戻りました。慌てたため振り向くと誰かさんのスリッパが路上に片方落ちていましたよ〜!途中にある安並の水車も水不足で回っていませんでした。
福谷家先祖代々の墓 曾孫が榊を手向けます 蜂に追われてスリッパを残して逃避
四万十川の支流に流れる「渡川」は干からびて水の流れはありません。従姉妹が住んでいた地区四万十川・勝間の沈下橋は観光客だらけです。沈下橋の手前にあった藁焼きカツオタタキを食べさせてくれる店は既に人出に渡り喫茶店に様変わりしていました。
安並の水車群を見物に立ち寄りました
沈下橋の観光客は車が近づいても避けようとしませんが去年、クラクションを鳴らした地元と観光客の間でトラブルが発生したらしく、うかつにクラクションも鳴らすことができません。やっと気が付いたら左右に分かれて避けてくれ「どっちかに寄って下さい!」思わずそう叫んでしまいました。沈下橋のたもとに「車が来たら下流側によけてください」と統一させる看板が要りそうです。

挨拶もそこそこに子供達が「泳ぎた〜い」という事になり水着に着替えて川の中に入りました。いつもなら「冷たいっ!」と感じるのですが「何?これ!ぬるっ!」そうなんです。温泉に入っている状態の様な生温かさで聞くところによると鮎が酸欠で浮いて来たとのことでした。
チョッと贅沢…清流四万十川で水遊び 魚もおらんのに網持って
観光客が次々に橋の上から飛び込んでいました。怖くて一歩が踏み出せない人、ためらわず飛び込む人とさまざまですが毎年飛び込みの事故があり飛び込んでみたものの浮かんでこない人がいるそうです。橋の上からの飛び込みは沈下橋の洗礼みたいなもので誰もが一度は水面を覗き、飛び込もうと試みますがヘナヘナと座り込む人もいれば背中を押してもらう人もいます。 
8歳の孫は意を決して飛び込みスタイルになりました。水面では先に飛び込みを見せたパパが「大丈夫!おいで〜!」と声を掛けたその時小さな体は宙に浮きました。沈下橋洗礼をうけたのです。6歳の弟も姉に続けと身構えますがなかなか宙に浮くことができません。諦めるのかと言えばそれは悔しいらしく何度も何度も助走しては立ち止まり助走しては立ち止まりを繰り返し、とうとう沈下橋の主とも言われる親戚のおっちゃんが背中をポンと押してくれました。
沈下橋から飛び込むために父親に空中に放られて練習中
姉に続き弟も沈下橋の洗礼を受けたのです。もうその後は誰の手も借りずに何度も何度もドボーンの繰り返しです。「ホラ!あんな小さな子も飛んでるのにあんたも飛びなさいっ!」嫌がる子供に強制している人がいましたが「そんなに言うならお母さんあんたが見本を見せて飛んでやりなさい」と言いたくなるのをグッと我慢しました。飛べたかな?飛べるといいね!
横山一家の親子ライブ…盛り上がるなあ…羨ましいなあ 
夜は魚料理のオンパレードで歓迎を受けました。冷房は24時間つけっぱなしです。食事が終わると別棟で親子ライブが始まりました。娘がドラム、親父がギター、ボーカルは息子、ピアノもありますが今回は弾き手がおりません。音響設備もコンサート会場顔負けで多分、河原にあるキャンプ場まで響いていると思います。私の息子もボーカルで飛び入り参加し夜の更けるのを忘れるほどに盛り上がっていました。
大阪だと多分近所から苦情が殺到していると思います。 
平成17年9月6日の台風14号の大洪水の痕跡です。ここまで水が来たそうです。驚くことに 四万十川の川面は この道路から更に5mぐらい下なのです。怖いなあ
8月15日(木) 初盆の法事の日です。
15日は従姉妹の初盆法事の日、朝食を済ませると子供達は四万十川に行きたいといいます。法事が終わってから行けばいいと言うのですが
子供達は我慢ができないようす。法事が始まるまでとの約束で親子5人で四万十川へ。
四万十に住む おんちゃんが
「今日は仏さんが川を通って墓に戻る日じゃけん連れて行かれん様になっ!」
そういえば子供の頃、盆の間は川遊びは禁止されていたことを思い出しました。
10時を過ぎると続々とお参り客が到着し、テーブルには土佐名物の皿鉢料理が並べられました。

都会では御膳を仕出屋さんに個数で人数分注文する関係上 お客さんの数が大切になってきます。しかし四万十市の慶弔は「箸と皿とコップ」さえあれば、「来る者拒まず」で、何人来ても、どこに座っても自由で土佐流中村方式の宴会がはじまりました 会話は「誰が次に召されるじゃろうか?」と恐ろしい会話が笑いながらはずみます。
酒を酌み交わしながら和やかに、時々故人を偲んで宴会は続きます。最後の客人が帰るまで「時間無制限」これも土佐流なのです。
土佐名物皿鉢料理
子供達は法事が終わると休む間もなく四万十川へ行くといいます。
さっさと用意して屋敷の階段トントントン。

そこにめがけて上から放水…冷たい!と思いきや
水道水もまたぬるま湯 あったかーい。

こりゃあイタズラにならんわ。
親戚宅から徒歩5分…最高な立地です
水は温く、川底はコケが生えヌルヌルしています…一度 台風さんに川ざらえをお願いしなくては
家の玄関先で送り火を焚き さらに川で送ります
子供達は花火をしたり、星空を見上げて「夏の大三角」を探したりと楽しそうでした。 夏の大三角は、こと座のベガ、わし座のアルタイル、はくちょう座のデネブの3つの星を結んで描かれます。細長い大きな三角形をした星群です。
三つの星のうちベガとアルタイルは、七夕の伝説の「織姫」と「彦星」のようです。
8月16日(金) 今日はもう名塩に 帰らなければなりません。
16日早朝から沈下橋から飛び込みがしたいとせがむ子供達に負けて、
「ここでしか味わえんことをしちゃる」
と軽トラの荷台に子供達を乗せ沈下橋を通過しました。キャンプ場の客たちが沈下橋の両側に避けるため四万十のおっちゃんが
「こら〜っ!われら!どっちか片方に避けんと川の中に落ちるぞっ!」
と叫びます。

沈下橋は地元の人達の生活道なのです。マナーの悪い観光客とトラブルになり警察出動もあるとか・・・。そういえばパトカーが何度も巡回していましたっけ!
5分も経たずに沈下橋のたもとにある喫茶店に到着です。
モーニングと言ってもパンではありません。
「おにぎり&サラダ&卵焼き&アイスティーetc.」
ボリュームたっぷりです。この日はカヌーが50隻ぐらい出ており水面は
色とりどりのカヌーが浮かび とても綺麗でした。
川面から見た勝間の沈下橋 大水が出ると この上を濁流が越えていきます
川面から見た勝間の沈下橋
にわかガイド付きの四万十川遊覧船 …だまって船借りたっちゃ  日本一の猛暑の犠牲になったカエルさん 
四万十のおっちゃんが一隻の船を出してくれてカヌーの横をスーイスイ心地よかったです。午後1時過ぎにやっと飛び込みを堪能したらしく帰り支度を始めることができました。帰り道にカエルが干からびて死んでいました。日本一暑い四万十だからなのかと納得(笑)帰り際には別れが悲しいと6歳の男の子が目に涙をいっぱいにためていました。思わず婆ちゃんも、もらい泣き〜!
 横山家全景 右上の茶色の建物がライブハウスです。演奏中は川まで音が流れます。
別れを惜しんで 昼食は またまた土佐の寿司づくめ 沈下橋から6回飛び込んだよ
四万十市街のはずれにある温泉に入り、食事を済ませ、従姉妹の家に立ち寄り、窪川から高速に乗り大阪へ向けて帰ることとなりました。子供達はすぐに疲れて眠るだろうと思いきや興奮してかどの子も目は爛々としており尼崎を通過したあたりにやっと3人とも静かになりました。夢の中でも、きっと飛び込んでいるのではないでしょうか・・・・
テレビドラマ 「遅咲きのヒマワリ」 のロケとなった勝間の沈下橋周辺に遅咲きのヒマワリを咲かすプロジェクトが立ちあがり、ヒマワリの種が植えられることになっています。台風に薙ぎ倒されなければいいのにと、地元の人達は10月に満開となる遅咲きのヒマワリを楽しみにまっている様子でした。秋には再び「遅咲きのヒマワリ続編」のドラマが撮影されるとか。
地元の人達が植えたヒマワリもドラマに一役買ってでるのでしょうか楽しみです。


美智子姫:記0000