2013
アイゼン買ったしピッケルも買ったし雪靴も買ったよー…で「個人レッスン」だよ〜ん
kazuくんが長い長い東京研修からやっと帰ってきました。「冬山の装備揃えたいんです」そう聞いていましたので善は急げ、気の変わらぬうちにと22日の日曜日に梅田のロッジで待ち合わせをしました。アイゼン購入時は「購入時は登山靴を履いてきて下さいね」と言っておいたのでちゃ〜んと登山靴を履いてお出ましです
。しかしよく見ると靴底がパクパクと口を開けているのが見つかりました。それに夏仕様の靴ですのでこれだとワンタッチ式のアイゼンは装着不可能です。「え〜い!この際冬靴も買っちゃいます〜!」と、ちょっと予定外でしたがボーナスも貰ったことだし、痛んだ夏靴は張替してもらうことにして新しい冬靴を購入されました。続いてアイゼン・ピッケルと大枚が飛ぶように出て行きます(私達も最初はそうだったよなぁ。しかも2人分・・随分投資したもんだなぁ)
新品の登山靴・アイゼン・ピッケルを持って、早速23日の祝日に蓬莱峡へトレーニングに行くことにしました。
 蓬莱峡の入り口までポッチーさんに送ってもらいました  月を見ながら蓬莱峡を目指します 
アイゼンを装着   ピッカピカの新品…昨日買ったばかり…バンドが捻じれてるよ  左は新品右は珍品
この時期蓬莱峡は各山岳会が冬山教室を実施しており混雑が予想されるためバスよりも早く到着しようとHONDA・Fitで「座頭谷バス停」までポッチーに送ってもらう事にしました。宝塚でkazuくんと合流し20分ほどでゲレンデのある「座頭谷」に到着です。ゲートの前には奈良ナンバーの車が1台停車しています。ゲレンデ利用者が駐車禁止の所に駐車をすると現在利用させてもらっている入り口が閉鎖される可能性があります。
ここへ来るのは、公共機関を利用してみんながマナーを守り快適に使用させて頂きたいものです。 
蓬莱峡のザレ場…今日は嘘みたいに空いています
映画のロケ地としても有名な蓬莱峡ザレ場には1組(6人)の先客がおり早々とミーティングをされていました。ガイドらしき男性が1名と後は女性ばかり5人です。この方達もアイゼントレーニングの様です。朝の挨拶を交わし私達も隅にリュックを置き、まず新品のkazuくんのアイゼンの装着の仕方から伝授していきました。購入時に店の人から説明を聞いていたため師匠の手を煩わすことなくスムーズに履くことができました。少し身体をほぐしてから「さあ行こう!実際に歩くことが一番身に付く」と歩き始めました。kazuくんは目の前の巨大なザレ場に目を白黒させながらステップの種類の説明を受けていました。アイゼン歩行の基本はヒールライジングでフラットフィッティング、登りはインサイドステップ、路面に合わせて登って行きます。
このザレ場も年々その姿を変えていきます…でも此処のお陰で多くのクライマーが育ったことでしょうねえ 
いつ来ても楽しいトレーニングができます
@ショートステップ Aインアウトステップ Bリトルピッチサイドステップ Cフロントポイント Dインサイドステップ Eアウトサイドステップ
Fヒールライジングステップ Gローリングステップ Hトラバースステップ Iバックスイング etcなどと、ざっと10種類ものステップを局面に合わせて踏み込まなければなりません。長年やっていれば自然と身に付いてくる物ですが、初心の段階で覚えてもらうほうが良いと思います。

kazuくんはスキーの経験が豊富で難なく全てのステップを自分のものとしてマスターしました。(その調子、その調子・・・でも次のトレーニングまで忘れないでね!)休憩をはさみ、結構難易度の高い場所をロープも使わず歩いたり降りたりして時には恐怖を感じるほどの切り立った砂の山を駆け巡りました。日蔭の外気温はとても寒いのですが歩いているとポカポカと汗ばむほどです。
アイゼンの置き方、ピッケルの使い方を覚えていただきます
突然の強風には形振り構わずピッケルを刺し体を低くして対処します へっぴり腰はあかんよー
熱中していて時間を忘れていましたがお腹の虫は正直でお昼を告げてくれましたので、昼食を食べることにしました。太陽の当たるところへ移動してのおにぎりと温かい味噌汁はたまらなく美味しいです。姫が寒さを気にしてか「ゲレンデの方が太陽が当たり温かそう〜混雑してるかどうか見てくるわ」と蓬莱峡ゲレンデを視察に行きました。
しかし何と1組(3人)だけが大屏風岩を使っているだけで他には誰も居ません。この様子だと先週までここでトレーニングを続けていた人達はほとんどが本番の雪山に出かけている様子です。ゲレンデが空いているということなので午後からは場所を変えて岩場でアイゼン・ピッケルを使っての登攀下降の練習をしました。
いつ、だれが打ち込んだのか不明ですが2か所にピンが打たれ残置ロープが掛かっていました。10mmのボルトでハンガープレートしっかり取り付けられています。

残地ロープは使わずに環付きカラビナをセットしたかったのですが10.5mmロープがダブルでかかっているため環付きカラビナが入らず、残地ロープも使用に耐えそうだったので小さなカラビナを使ってバックアップをとり、安全を確保して、利用させてもらう事にしました。
どこの山岳会が残して行ったのでしょうか。

基本的にはロープは残地しない、使わないのが鉄則ですが、今回は設置して日が浅いのかしっかりしていましたので使いました。
岩壁を攀ったり、懸垂下降をしたり、ロワーダウンしたり…わずかな時間ですが楽しみました
kazuくんが不安そうに「本番でもこんな具合ですか?」と傾斜を眺めて尋ねておられましたが大丈夫です。トレーニングは傾斜がきつく、つらく感じますが本番ではこんな傾斜はありませんよ。と説明をしておきました。アイゼンピッケルを使ってのトレーニングは登山靴の2倍ほど難しく思った様に登れません。しかしアイゼンを履いているからこそ足の乗っかる場所もあります。よ〜く見て、しっかり足の置く場所を探せば簡単に登れますよと励ましながら、3人で2回づつ登攀下降を繰り返しこの日のトレーニングを終了することにしました。「今日はこのくらいにしといたろか!」でました〜!師匠の終了ゴングが鳴りました。師匠も疲れてきたみたいです〜。なんてたって70ですから。何が?
座頭谷からバスに乗ります 宝塚でJRの乗り換えて家路へ デパートは入れるかなあ
岩場のそばを流れる小川に泥だらけのアイゼンを流されないように浸けておいて、その間に帰り支度を始めました。かわいそうにkazuくんの買ったばかりの登山靴は粘土質の泥で真っ白に汚れています。靴の手入れの仕方を伝授し、何はともあれ帰ったらすぐ靴の手入れをするようにアドバイスをし少し泥の流れ落ちたアイゼンを仕舞い先客のクライマー達に「お先に!」と声をかけ岩場を後にしました。ゲート付近までくると聞いたことのない奇妙な楽器の音がします。「何だろう?」と不思議な音に近づくと女性が2人何かの楽器の演奏の練習をしていました。

足元に何か動く物体あり、よく見ると「ニワトリ」です。「えっ?ニワトリですか?」本当は楽器の種類を聞こうと近づいたのですが犬や猫ではなくニワトリだった事に驚き「たまご生みますか?」と質問内容が変わってしまっていました。「まだ幼いのでたまごは生みません」「2羽いるからニワトリか〜」なんて冗談を飛ばしているうちに14時24分の宝塚行のバスがやってきました。乗客は5〜6人しか乗っていません。

宝塚で下車するとクライマー達の行き付けとなっている中華屋があり、そこでか〜るく一杯飲み会をすることにしました。店の中を覗くと満席状態です。それもそのはず入り口に「本日餃子半額」と大きな看板が立ててありました。中はざわざわしておりとても会話がスムーズに交わせそうになく列に並ぶことを諦め、隣のお好み焼き屋に入りました。ここは比較的空いており静かに会話をすることができました。

今年はこれにて登山終了です。怪我も無く無事に過ごせたことに安堵しています。来年も安全な登山が出来るように祈念し車中の人となりました。

 写真と文 美智子姫0000