日本百名山探訪 水晶岳・笠ヶ岳・焼岳
●第6日目(8月8日・土曜日・晴れ) 焼岳 北峰2399m 中の湯温泉~焼岳往復後中の湯温泉入浴後大阪・神戸へ
焼岳は飛騨山脈の主稜線上にあり、長野県と岐阜県にまたがる活火山で、別名は硫黄岳といいます。焼岳は隣接する白谷山、アカンダナ山、割谷山と共に焼岳火山群を構成し、この火山群中で現在も活動をしているのが焼岳です。(焼岳は飛騨山脈の中では最も活動の激しい活火山です)山頂付近にはいくつかの火山火口が残り、火口湖の正賀池を挟んで北峰と南峰に区別され、。南峰は正賀池の真南に位置する岩峰で一等三角点がおかれております。これが焼岳の最高点なのですが登攀禁止となっており、北峰は正賀池の北東に位置し、山腹に硫黄の噴出を伴う噴気口が現在も活動中。北峰には標高点は置かれていませんが、北峰の西側に爆裂火口があり、その北縁に2,393mの標高点が置かれています。
タイムスケジュール 
中の湯温泉旅館 06:00
火口池 10:00
山頂  10:19
10:35
火口池 11:00
中の湯コース登山口 14:10
中の湯温泉旅館 14:25
旅館の裏が登山道に続いており朝食のおにぎりを貰い午前6時に出発しました。旅館のある場所は6号カーブにあり9号カーブの登山口までゆっくりと登って行きました。爽やかな登山道でしたが駐車場に足を一歩踏み入れたところに排便後がありもう少しで踏むところでした。せっかく気分爽快で歩いていたのに気分が悪くなりました。小さな駐車場はすでに満杯状態です。
土日は登山者が多いです ブヨ除けの線香をたいて  
ブナの木や太いカンバの木が立ち並び太陽を遮断してくれて涼しくていい気持です。倒木を利用した木道やハシゴが点在しよく手入れされた中の湯コースです。ベンチのある草原の平地からは焼岳が見え硫黄の吹き出る煙も見えてきました。「あと半分かな?」笠ケ岳での疲労も回復したのでしょうか、この日の足取りは軽やかです。標識らしい標識は何もなく辛うじて沢筋に出ると旧道との合流点が確認できました。
頂上を見上げると赤や青の服が動いています。「あっあそこに人が歩いているわ~あそこが頂上みたい」頂上までまだ40分以上はかかるのですが既に到着したみたいな気分です。しかし木立の無いところは暑さにやられて休憩につぐ休憩でなかなか前に進めません。後ろから登山者の気配を感じ先を譲るのですが「いえ私達も遅いですから」とみんな同じようにバテてる様子でした。
火口縁に登山者の姿が伺えます
硫黄の噴気 正賀池
火口口らしき看板に到着しました。噴火でできた火口湖「正賀池」もコバルトブルーで美しいです。吹き上げる硫黄を多く含んだ煙は黄色く岩肌を染めていました。頂上直下で血痕を発見しました。誰か怪我をしたみたいです。落石を起こさぬように登って行くと大勢の人たちが頂上に滞在していました。「おっ!多いなぁ」とりあえず人をかき分け焼岳2399mの看板の前で記念撮影をしました。どうにか座るスペースを見つけて360度の大パノラマショーを満喫しました。 
 笠ヶ岳から抜戸岳への稜線
 穂高連峰・吊尾根・明神岳の山々
林間学校の生徒さん…緑の屋根の焼岳小屋方面に下って行かれました 
「そろそろ行こうか」名残惜しいですが下山体制に入りました。ウッチー会長はストックを仕舞い安全なクライムダウンの体制を取っておられました。もと来た道をゆっくりと安全に下り中の湯温泉に到着です。500円払って温泉に入り途中の「明郷」と言う蕎麦屋に入りました。
(あれっ?往路もここで食べたよね?)

復路は時々渋滞情報が入るものの気になるほどの渋滞もなくスムーズに走り、神戸のウッチー会長のご自宅付近の寿司屋に入り夕食を済ませ、後日、反省会をすること言うことで今回の旅の幕を下ろすことと致しました。 「百名山90座登頂済!」
(教訓) 「今回の山行で教訓として感じたこと3つ」   
①サブリュックの携行  
縦走・連泊・テント泊などの時はリュックが大きすぎます。
テン場での水汲みや小屋への買い出し等に役立つサブリュックが今回は非常に役立ちました。但しナップサックの様な肩紐の細いのではなく肩紐が幅広のサブリュックがいいと思います。私は今回100円の自転車用ゴムとサブリュックをセットで持参しました。ゴミ袋をブラリブラリと揺らして歩いている人をみかけますが、ナイロン袋に入れサブリックに入れてリュックの外側に自転車ゴムで固定すると安定して見栄えも良く実用的です。小屋にビールやジュースを買いに行っても「ビニール袋はありません」と言われるケースがあります。
水汲みとて足場の悪い場所だと両手は自由に使える方が安全です。テン場を基地にして水晶岳に登る時もサブリュックで登りました。
ぜひサブリュックの携行をお勧めします。
②携帯トイレの携行
中の湯温泉から駐車場を経て登山口に向かう真正面に排便の後がありました。もう少しで踏むところでした。たぶん車の陰になっていたので通路だとは知らなかったと思います。山中で排便の場合は必ず携帯トイレを持ち歩きたいものです。
北海道の様に徹底してトイレブースが設置された山は少ないですが、木陰に座れば大丈夫です。ただ残さず自分の物は自分で持ち帰りたいものです。
③レーション
重量が気になるところですが口当たりのよいジェリー系や、ピーナツ・ナッツ等の豆系がベストです。バナナ等の果物もいいですが縦走など日数がかかる場合はゴミが悪臭を放つことになります。充分な量を携行していても、最初の山行時に、つい食べてしまいがち。日数で分けておくか第1日目と第2日目は相棒が準備、第3日目と第4日目は私が用意とした方が、最終日レーション不足で泣くことはない。
(相手が何を用意してくれたかの楽しみも増える)甘い物だけが残った北鎌尾根の失敗を今回もしてしまったことが反省点となっています。
 (ひめの感想)
今回の山行は暑さとリュックの重さの闘いだった気がします。足は比較的元気でした。久しぶりの山中泊でしかもテント泊でしたので小屋泊のありがたさがよくわかりました。テント泊と小屋食の組み合わせを取り入れましたが宿泊者が多い時には小屋食も希望通りにはいきませんでした。余分な荷物は何ひとつなく、あるとすれば「化粧道具や!」と言われそうですが日焼け対策として女性にとっては欠かせないのです。(笑)
日頃から山の歩き方、岩場の通過方法、ストックの使い方など、うるさいほど指導を受けたおかげで歩行中の不安はゼロでした。景色を楽しみ、花を愛で、山頂が見えた時の喜びは大きく感動的です。突然の雨に対応できるように合羽は一番上に入れていたのですが、それでも間に合わないぐらい急に降ってきます。今後は、普段のトレーニングで荷詰めの練習などもしておきたいと感じました。 しかし・・・笠ケ岳は手ごわかったです。 
文:美智子姫