ポッチーが去年の8月に心臓の大手術を終え、40日間の闘病の後退院。今日までの間にリハビリウオークを2度実行しました。
一度目は姪っ子達と箕面の滝へ紅葉狩りに出かけました。ところが緩やかな坂道でハアハア息切れがして何とか大滝までは到着。
二度目は「千鳥橋から奈良公園まで電車に乗ろう」と言うことで、ジョンに付き添って貰い奈良公園まで散策にでかけました。鹿と戯れたり柿の葉寿司を食べたりと若草山行きは断念しましたが久しぶりのウオークでした。そして今回は「中山寺に梅を見に行こう」と誘いました。別に騙すつもりはありませんでしたが、奥の院まで歩ければ自信に繋がるのではと密かに計画をしてでかけることにしました。
19日の日曜日はポカポカ陽気で風もなく、歩き始めるとすぐに防寒着は脱ぎ、額にはうっすらと汗をかいていました。「ウオークに毛糸の帽子はあかんなぁ」と額から落ちる汗を拭きつつ蕾の硬い梅を見ながら奥の院に向かいました。
安産祈願で有名な中山寺は、お宮参りの若い親子連れが多く見受けられ、出店の準備にも忙しそうで境内は活気がありました。梅の見頃はというと、硬い蕾で、まだまだお呼びではありません。小さな橋の手前から「東尾根コース」「奥の院コース」と別れており「どのコース行こうか?」と、ひそひそとジョンと話していると「えっ?」と驚いた様子のポッチーの顔・・・まるでハトが豆鉄砲を食らったような顔をしています。「平地をいくら歩いても筋力はつかないよ。ゆっくりでいいからアップダウンの道を歩いてみようよ」と、不安げな顔のポッチーの背中を押し、「奥の院コース」を、ゆっくり、ゆっくりと登って行きました。
六甲山も中山寺も「年金コース」と言われるほど高齢者の方達が多いのが特徴です。今日は日曜日とあって梅見がてらなのか若者や家族連れも交じり、多くのハイカーが訪れていました。
少し歩いては「ちょっと休憩させてくれ」と座り込み、また歩き出しては休憩を繰り返しました。でも「引き返したい」とは言わないため、1時間以上かけて、やっと東屋に到着です。顔色もよく坂道ではつらそうですが久しぶりの遠出に興奮している様に見受けられました。
東屋には多くの人たちがお弁当を広げ、眼下に広がる中山寺付近の景色を楽しんでおられました。スタート地点の中山寺を「一丁」と決め、ゴールの奥の院までを「十八丁」の石碑が立っており、それらを目安に「あと三丁やなぁ」「あと二丁か・・」などと言いながら歩いていきました。奥の院の屋根が見え隠れし「もうすぐ到着やね」と言った途端、急に元気が出たのか足の速かったこと・・(本当にしんどかったんやろか?)と疑うほどでした。奥の院は人で溢れていて、ベンチも満席です。押印長帳を欲しかったのですが下の中山寺で配布との事で、お賽銭を入れお参りを済ませていると先客が出発しベンチが空きました。ゴールしてから食事を予定していますが休憩も兼ねて軽い昼食を済ませ下山することにしました。ちなみに1丁は(町ともいう)=60間のことで 109.09mのようです
▲中山寺 奥の院に到着です
下山ルートは「清荒神コース」を選びました。下りになるとハアハアと言う息使いは消え、時々よろける場面もありましたが、意外と元気に下って景色を見る余裕も出た様子でした。本人曰く「医師の言うには岩場のバランスが悪いのは術後の体幹が正常ではないらしい」との事でした。(ほんまかいな?)慌てず、ゆっくり、後から来た人達には全て道を譲りました。私達もまた山歩きの正しい歩き方を訓練をしつつ良いトレーニングにもなりました。
清荒神コースは歩きやすい道です…でもね…終盤に悪路がでてきます
▲ポッチーは元気そのものです 
▲清荒神コースにある岩場も難なく下って行きます…ポチにとっては悪路でも…姫にとってはランランコースです
 ▲宝塚の街並みと六甲山遠望
 ▲清荒神さんの駐車場もいっぱいです
清荒神まで戻ってくると沢山のお詣りの人たちが参道をうめています。沿道はリュックを背負って交差しづらいほど混雑していました。そんな中お目当ての「岩納豆」を人垣をかき分けて購入することができました。
ポッチーは平地になると健常者と同じ速度で歩いています。「また来週も来ようね」と言いましたが返事はありませんでした。徐々に体力を回復させ里山歩きが出来るようになってほしいと思っています。春になるとカタクリの花や千本のしだれ桜見物、春の大イベントイタドリ採りも待っています。
  ▲電車内の表示も中国語や韓国語でも表示されていました   
 ひめの感想
いつも私の外出時には「気を付けていっておいで!」と気持ちよく送り出してくれるポッチーではありますが一緒に出掛けるチャンスも作らないとと思い「梅鑑賞」を思いつきました。本人は梅鑑賞だけと思っていた様ですが、そんなはずはありません。(笑)病魔から脱出して一歩前進しなければと思っています。上り坂では、やはり苦しそうですが隣を歩くジョンも同じ様にハァハァ言うてます。勿論私も。誰しも負荷がかかると苦しいのです。しかし、その苦しさを乗り越えると「達成感」が沸き起こるはずです。無理は禁物ですが少しだけ前進できた1日で有ったと思っています。
文:美智子姫