4月とは思えない初夏の日差しの中、第2回目京都トレイル「蹴上げ〜比叡」のコースを歩きました。桜の花は少し葉を付け始めていましたが、まだ春の風情を味わうことができました。集合場所の蹴上駅に到着すると、既に全員集合されていました。それもそのはず私達は地下鉄に乗り間違えて蹴上駅の反対方向に乗っちまったのです。駅に着くと「福ちゃん!」うん?その呼び方はひょっとして同期生の畑中
真知子さんか?ごめんごめん誰とも面識がなく、さぞ不安であったことでしょう。蹴上駅から琵琶湖疎水に向かって廃線の線路上を歩きます「電車が来たら、すぐ避けてくださいね〜」他の観光客のお客様の驚きの顔に一人笑いながら、朝のミーティングと、久々の山梶さんの紹介、「君の名は真知子」さんの紹介、春山のお誘いと盛りだくさんの連絡事項を終えて、32番蹴上げから第2回目のスタートとなりました。
いきなり急な上り坂でハアハア、フーフー汗をポタポタ地面に落としながら登り切ったところで早めの休憩、衣服の調整をしてもらうことにしました。地面は腐葉土が敷かれており、足や膝にやさしくアスファルトの都会の中をしばし忘れさせてくれます。「こんなコースばっかりやったらいいのにね」真知子さんが私のすぐ後ろを歩きますが初対面の人とも思
えないほどすぐ他の人ともうち解けてきたため、あまり気遣いしなくてトップの任務を果たすことができました。
次に歩くのは山梶さんですが、とても快適な足音で乱れることなく、時折風邪を引いているとかで咳の音はしますが1年以上のブランクを感じさせない快適なリズム音が聞こえて来ます。後ろを度々振り向くと20人がとても良い間隔で歩いている様子が伝わってきました。このペースを保ちながら進んでいきます。
時々リーダーが後ろから「これくらいのリードが出来なかったらアルプス縦走は無いぞ。」「六甲岩場を全部リードで攀れないとないとゴジラの背も前穂の北尾根も無いぞ」かなりきつい激が飛んできます。なんの負けてなるものか。気合を入れなおします。
50分歩いて10分の休憩をとりました。たっぷりめの水分補給とエネルギーに変わる行動食を取ります。オリオンさんが「お茶が溶けない〜」と言っていましたが、今の時期は半分凍れば良いのではないかと思います。私はここでシャーベット状のグレープフルーツを頬張りました。
山の中を進めていくと「大文字山」の標識が目立ち始めました。もうすぐ火床の中を歩きます。夜空を飾る松明の明かりを想像しながら、火床の急な階段を下りていきます。上でオリオンさんがカメラを構えて待ってくれていますが、よそのお爺さん2人がどうも邪魔の様子です。オリオンさんが待ちきれず「お爺さんも入っていいよ〜!」と叫びシャッターを押します。(ほんまは不要やで〜)急に下り階段の火床を降りると銀閣寺に出ました。ここは観光客がごった返し、歩くスペースもないくらいです。
店先から香ばしい匂いや「ソフトクリーム」の旗が風になびいています。ソフトクリームと言えばサスケ先生、サスケ先生と言えばソフトクリームなので目をやると、既に小銭を用意して今にも突撃寸前でした。銀閣寺の角でトイレ休憩を取り哲学の道を歩き、橋本寒水の桜のエピソードを説明し、桜の花びらが川の流れに身を任せている様が風情を醸し出していましたのでサスケ先生に一句を呼んで詠んでいただきました。

00000これ見よと 疎水を下る 花いかだ
00000花散りて 流る水面に 鮫小紋
 000000000000000000000
 (久保公一)

哲学の道から日本パブテスト病院横へと京都トレイルの道に
つなげます。ここは下見の時に一番苦労をした場所につき、慎重に下見シールを回収しつつ、木立の中の広場を見つけて昼食にしました。時間は12時15分を過ぎていましたがベストタイムです。
昼食後は「祇園小唄」と「牛若丸」をサスケ&うららちやんの指揮のもとみんなで歌い午後のスタートとなりました。昼食後は体も重く、長目の休憩を取ったことで足が重く感じ、しばらく体が慣れるまで、登り坂をゆっくりと進んでいきます。後ろも同じ間隔で進んでいる様子です。
このあたりにさしかかると何と自転車の若者が多くなってきました。「前から自転車〜!」と叫びますがどうも後ろの人達は私が冗談を言っていると思ったらしく本気にしてはもらえませんでした。若者が3〜4人で輝く汗をぬぐいながら「すいませ〜ん」と言いながら通過していきます。白山の上でジョンのヘルメットを指し「自転車で来はったんですか」事件を初参加の真知子さんに説明し爆笑。行き交う登山者に会うよりも自転車に合う方が多かった不思議なルートです。
67番あたりの山中で、ぐぐっと下まで降りて行きます
「下まで降りると言うことはまたこの距離を登ると言うことやな
」とため息まじりでうらめしげにひたすら足を前に運びます。
私はツーストック愛好者で、この頃やっと上手にストックを自分の足と思う使い方が出来るようになりました。登りもさることながら下りは膝の負担が軽減できて優れものです。おかげで74番ゴールの比叡駅へ難無くゴールすることができました。
ケーブル叡山駅方面から下山してきた登山者が「まだまだ距離があり大変ですよ〜」と聞きもしないのにベラベラと話しかけて来て、精神的にダメージを受けた人が沢山いたと聞きました。「あとどれくらいですか?」と誰かが聞いたのならです
が誰も聞いてないのにお節介な登山者です。(私達も気を付けましょうね。ポチさ〜ん親切だと思って知らない人に「もうずくですよ」なんて話しかけないでね〜)ケーブル発車までに20分ほどあり、ゴールのミーティングを済ませケーブルに乗り込みました。
早い時間に乗り込めましたので全員座って下ることができましたが、何と満員のケーブルとなり比叡山の人気の凄さに圧倒されました。出町柳まで叡山鉄道を利用し京橋、淀屋橋とそれぞれが三々五々自宅へと戻りました。

おつかれさまでした。
次回は出町柳駅で集合です。

               (文;久田美智子)

いつも沢山の写真を撮らせてもらっている通称オリオン・鹿島秀元です。
自然一杯の中で、皆様の良い笑顔、良いポーズで、また、普段のまま、自然体でのベストショットを狙って、パチリ、パチリと撮影しています。右へ左へ、また、立ち止まったりするもので、皆様の歩きのリズムを乱しているのではと申し訳なく思っています。ホームページに使ってもらって、思い出作りの一助にしてもらえば、撮った甲斐があり、うれしく思っています。後、最近、一大決心でGPSを投資しました。衛星からの信号で位置を捕らえることにより、歩いたコースや時間を記録してくれます。撮った写真を見ながら、地図上のトレースで、もう1度、楽しんでいます。
写真提供;鹿島秀元氏