三徳山三佛寺 投入堂 2019.05.24
行場めぐり 第3弾
鳥取県三朝町にある三徳山三仏寺の奥院

鷲峰山・金胎寺の行場巡りを終えて「もう行場コースは嫌やっ!」と叫びました。
今泣いたカラスがもう笑ろうたではありませんが日本一危険な国宝へと計画を練りました。

 翌朝はお迎えのタクシーを予約をしており午前8時投入堂に向かいました。ポッチーはホテルの庭園の散策や温泉三昧でお留守番です。道すがら三朝温泉にかかる、恋が実ると伝えられる縁結びのカジカガエル別名「ヴァレ・ドゥ・ラムール」という名の恋谷橋を渡りました「恋谷橋の伝説」とは、ときのフランス大使が命名したこの橋の中央にある陶製のカジカガエル。三朝温泉では、このカジカガエルを優しくなでると恋が実ると言い伝えられており、縁結びのカジカガエルと呼ばれています。しかし我々には恋の話は無縁で通過~!
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投入堂(なげいれどう)は、鳥取県三朝町にある三徳山三仏寺の奥院。山の断崖の窪みに建造された平安時代の懸造り(かけづくり)木製堂で、三仏寺の開祖とされる役小角が蔵王権現などを祀った仏堂を法力で山に投げ入れたという言い伝えから「投入堂」と呼ばれるようになりました。平安密教建築の数少ない遺構であり国宝に指定されています。
その開山は慶雲3(706)にさかのぼります。役行者が3枚のハスの花びらを散らし、「佛教に縁のあるところに落ちるように」と祈ったところ、その1枚が伯耆の三徳山に落ち、この地を修験道の行場として開いたのがはじまりとされています。また別の伝説では、修行者が三徳山を訪れた際に、その山のふもとでお堂をつくりました。修行者は法力で、お堂を手のひらに乗るほどに小さくし、大きな掛け声と共に、断崖絶壁にある岩窟に、それを投げ入れたと言われています。

 修験道は神道と仏教が融合したもので、山を神仏そのものとして敬う山岳信仰のこと。修験者(山伏)が神聖な山で過酷な修行を積み、悟りを開いて神と仏の境地に近づくことを目指すものです。平安時代には山岳仏教の霊場として信仰され、全国森林浴の森百選にも選ばれました。豊かな自然と山中に点在する諸堂は往古のまま今に残されています。

タクシーでわずか15分足らずで到着です。鳥居をくぐると三徳山三佛寺の参道入口です。
参道の階段を上がると納経所があり、入山料400円を納めてお札を頂きます。さらに石段を上るとあちこちに宿坊があり、座禅や写仏、写経などの修行体験もできるそうです。

受付所で服装や靴のチェックを受けました。ストックも山道や木の根を傷めるため使用禁止です。サンダルやハイヒール等の人は、入山できませんが、わら草履を購入して入山することができます。意外にも素足に、わら草履は快適らしいです。わら草履は岩場で足の裏の形にそって湾曲することや、濡れた木の上などでも安全であることでお薦めらしいです。しかし・・・登山靴を脱いで、わら草履に履き替える必要もありますまい。(笑)
投入堂参拝登山の受付所で再び400円を支払い登山届に記帳しました。記帳を済ませると輪袈裟(わげさ)と言う首に掛ける布の輪を頂きます。輪袈裟は略式の法衣なので、登山中は首から掛けて修行の身だしなみとして着用します。輪袈裟には「六根清浄の文字が書いてありました。「六根清浄」。六根とは、眼・耳・鼻・舌・身・意のことで、五感と心。「ときに人間は間違いを犯すことがあり、悪い心を持つこともあります。見なければいけないものを見逃したり、悪い話を聞くこともあります。三徳山に入ることで、そのようなすべての罪穢れが清浄されます」と言う意味を持っているそうです。また万が一危険個所通過の時は首から外しシュリンゲ代わりに、怪我をしたときは包帯変わりに使うのだそうです。そして無事下山時には下山報告として輪袈裟を返納するのだそうです。輪袈裟の数だけ登山できるシステムで、登山者が多く輪袈裟が出払った時は下山者を待って入山するのだそうです。

三徳山三佛寺の関係者は「西洋と日本では山に対する考え方が違い、登山の意味も違います。西洋では山は恐怖の対象とされ、登ることで恐怖を克服するのに対し、日本の山は命をもらう場所。自然崇拝の対象なので、同じ登山とはいえ、山を敬う気持ちを持って登らなければなりません」

▲木の根を掴んだり 鎖を掴んだり 岩を掴んだりしながら登ります
汗だくになりながら登って行きました。時折織りなす絶景は登った人しか味わえない景色でした。「来て良かったね」誰もが感嘆の声をあげました。行者道の入口となる宿入橋(しくいりばし)は緩やかなアーチ形をしています。大峰で言い表すならば「結界門」です。しばらく歩くと、カズラ坂のお出ましです。木の根に手足をかけてよじ登ります。道中の岩場は修験者が永きにわたって踏み続けた為、岩が足跡のような形になっておりここに足をかけながら安全に登ることができました。
断崖絶壁に建つ「投入堂」は険しい山道を登って行きハイキングモードは返上しなければなりません。勿論修行の場であることを忘れてはいけません。お弁当、おやつ等の持ち込みも駄目です。「日本一危険な国宝」とも言われるだけあってお約束事が沢山あります。
岩窟の中に建てられた観音堂は県の保護文化財で、江戸時代前期に鳥取藩主池田光仲によって再建されたそうです。観音堂の横は真っ暗な「胎内くぐり」、観音堂の右に回り込むと、暗くて細い通路になっています。ここは洞窟を女性の体にたとえて、新しい自分に生まれ変わることを意味しています。お堂と岩の間をくぐり抜けると「←投入堂」と書かれた看板が見えました。険しい道のりでしたが、ここまで来れば、投入堂はもうすぐのはずです。
▲重要文化財 国宝 三佛寺 奥院 投入堂   慶雲3年(706) 役行者の創建と伝えられています
▲屋根の鬼瓦 ▲無事に到着です ▲国宝の表示板

 やがて、日本一危険な国宝・投入堂が見えてきました。入山してから約1時間で到着です。 写真で見るよりずっと迫力があります。昔訪れた時はこんなにも感動しなかった記憶がありますが、今は背筋がゾクッとする神秘的な電流が走りました。

 どうやって建立したのか謎は深まるばかりです。納経堂は見逃してしまいそうな小さな祠(ほこら)ですが、国の重要文化財に指定される貴重な建造物です。従来は鎌倉時代の建築とされていましたが、近年になって用材の年輪年代測定の結果から、平安時代後期にさかのぼることが判明しています。

 しばし投げ入れ堂を背に記念写真を撮り続けました。何度見ても不可思議なお堂です。後ろ髪惹かれる思いではありますが水分補給をした後、投げ入れ堂の残像をしっかりと脳裏に焼き付けて下山することになりました。

▲水平道の鎖場を行く

文殊堂に到着しましたが土足禁止のため登山靴を脱がねばならず「帰りにゆっくり上がろう」と、先を急ぐことにしました。文殊堂の少し先にある地蔵堂も同じような造りです。文殊堂と地蔵堂を過ぎると馬の背・牛の背が現れます。両側が切り立った岩場の尾根道で、足を滑らせないように慎重に通過しました。ここが最後の難所です。

 楽しみに残しておいた文殊堂は回り縁をめぐらした舞台造りになっており、標高約500mの岩場にせり出したように建てられ、手摺りのない幅60cmほどの舞台です。登山靴を脱ぎ時計回りに縁側を歩くのですが雨水対策のため外側に向けて斜めになっている構造で足を滑らせそうで怖かったです(男性ならキュンと縮こまるのでは・・笑)しかし、ここからの展望は苦労して登ってきたからこそのご褒美でした。

▲無事に下山してきたところで 米田良中 和尚さまのお出迎えを受けました

細心の注意を払いながら下ってきました。山の事故は登りより下りが多いと言います。足を滑らせて巻き込まれないように、鎖場では間隔をあけて無事に行者道の入口となる宿入橋に戻ってきました。袈裟をお返ししようと社務所に近づくと何やら大勢の人垣ができていました。よく見るとテレビ局の人達です。10人はいたでしょうか。取り巻くように和尚様の姿が見えました。和尚様が私達に向って「いかがでしたか?」と尋ねられましたので大きく両手で輪を作りました。

和尚様が近づいて来られてもう一度「いかがでしたか?」と感想を求められましたので「遥拝所から一度、登って一度、そして今回3度目の訪れですが心が洗われました。とても神秘的でした」と思いつくままにお話しをしました。(その間ずーっとカメラが回っていたんだそうです)
そして最後に和尚様が「日本遺産ではなく世界遺産として認めてほしい」と。
▲米田良中 和尚さま ▲今から500m離れた所の遥拝所へ向かいます
500m先にある遥拝所までタクシーのお迎えを頼みました。倉吉から来るので30分はかかるとの事です。道すがら蕗を見つけました。採った、採った、採りましたよ。タクシーを待つ間に700gの収穫です。少し硬いかも知れませんが佃煮に出来そうです。
▲県道27号の 遥拝所から見た投入堂
 
   ニュースです
テレビ放映は6月8日 18時56分~20時54分  テレビ朝日(大阪では6チャンネル) 「じゃばにい寺」
虫おくりの日だから録画して行きましょう!(カットされる場合もあるらしい)
  
   豆知識「馬の背と牛の背」
馬の背とは、尾根が馬の背中のように両側が急な斜面になっていて、深い谷になっている様子をいいます。(痩せ尾根とも言う)馬の背よりも更に尾根の幅が狭いところは鎌尾根と言われ、鎌尾根とは鎌の刃のように狭くて険しいことからそう呼ばれています。馬の背よりも尾根の幅が広いところは牛の背と言われています。
 ●姫の感想

ずーっと昔、投げ入れ堂に来たことがあります。下山時にムニュッと何かを踏んずけた記憶がありました。よく見ると大きなカエルが足を引きずりながら匍匐前進で逃げていきました。アレッ私が踏んだゴムの様な感触はカエルだったのか?どうぞお大事にと思ったことがありました。
投入堂へは岩場あり、鎖ありの大好きなコースでストレスのない最高のルートでした。下山後入浴しようと思っていたのにお湯の入れ換えで入浴できないなんて・・・しかしみんな交代で入った慌ただしいシャワーもまた楽しい思い出となりました。鳥取産の蕗の佃煮頑張って作りました。

 ●Junkoちゃん
何時も早々に会計処理をしていただいてありがとうございます。いつまで姫さん、ジョンさんのお誘いをいただけるかと毎回ヒヤヒヤしております。どうにか、ついて歩けてホットしております。倉吉の町並のチョイ歩きも楽しかったです。三佛寺投入堂、昔の人の信仰の熱さに敬服です。よりすがるものがあらばこそと、私の対象は言わずとも、ヨロシクお願いいたします。走馬灯のような毎日、人生の一里塚はいつまで続くのでしょうか?楽しみです。
 ●靖っちゃん

今回もめっちゃ⤴️⤴️楽しかったありがとうざいます。
三徳山のゴールでテレビの撮影隊の取材を受けるなんて、凄い偶然ですね。

 ●ポチさん
 三朝温泉でゆったりと湯治モードでくつろぎました。体力的に投げ入れ堂には行くことが出来ませんでしたが、みなさんと一緒に旅が出来て良かったです。「湯船のお湯はり」と言う大役を仰せつかり皆さんに感謝して貰い参加して良かったです。それにしてもみなさん歳を忘れてはいませんか?
 ●JON
俺等は言い尽くせないほど有意義な旅で、安く楽しく遊べました。オラが故郷の横綱にも出会えたし、白壁土蔵群でも良い写真が撮れたし、遠足で行った三徳山も最高だったし、もー思い残すことは無いです。ただ皆様をサポートする力は確実に落ちている事も実感しました。皆さんリーダーをしてください。よろしくです。