阪急電車芦屋川駅高座ノ滝~中央稜~第一鉄塔~A懸垂岩~ロックガーデン~ピラーロック~中央稜十字路~高座谷~高座ノ滝~芦屋川駅
「山を知りたい」そんな希望に少しでも添えられればと年の瀬の押し迫った12月29日六甲・芦屋川駅で「Mr.ダビットソン」と、合流しました。星のブランコから2度目の山の出会いです。六甲コースは無数にあるのですが姫もジョンも「長距離は歩きたく無い」派なのです。(教える側がへばっててはシャレにならないでしょ・・笑)

選んだコースは六甲山ピラーロック(万物相)コースです。本来は地獄谷から入るのですが、いきなり地獄谷だと、あまりの過酷さに山を嫌いになるかも知れないので避けました。中央稜から第一鉄塔に登り、その横の道なき道をズリズリと急坂を下りA懸岩の前を通り、B懸尾根に出てピラーロックを見て貰う事にしました。
 高座の滝の壁のレリーフ「藤木九三」の説明をしてお稲荷様に手を合わせ地獄谷とロックガーデンの分岐まで来ました。
いずれは地獄谷コースもぜひどうぞと説明し、この日は中央稜線へ。
いつもは人で溢れかえっている中央稜線も登山者が少なくてとても静かです。2~3組のグループが追い抜いて行ったくらいで快適に歩くことが出来ました。第一鉄塔でしばし休憩を取り、急な下り坂をズリズリと降りて行きました。目の前にはA懸岩がそびえていました。いずれはここを登りましょうねと説明しB懸尾根を通過。風化した岩が複雑な地形を形成していて、断崖になっている所や滑りやすい所もあるので結構神経を使います。ピラーロックへの道は登山道から外れた所にあるため、道は狭く、心なしか以前より狭くなっている箇所もありました(ひょっとして私が太った精?)
 ▲登山の初めは岩壁登りでした   ▲中央稜を登って行きます  ▲衣類調整中
 ▲靴ひもの締め直し  ▲中央稜の案内標識  ▲露岩の道を進みます
山は初めてと言いつつもバランスの良さに感心して「何か運動をされていますか?」と聞くとスキーのベテランらしく身体能力の良さはスキーで基礎が出来ている様子でした。私達はと言うと久しぶりのロックガーデンに青息吐息で「ほんまに山を歩いていた人なの?」と思われているかも知れません。百名山踏破は遠い昔の話で今は加齢には抵抗できません。
▲第一鉄塔に到着です
▲ロックガーデンに入ると ざれた道の登下降が続きます
▲こんな狭い道もありますし 岩棚に へばりつく20cm程も道もあります
▲万物相 (ピラーロック跡) 昔は此処の右手に墓場といわれる沢山の尖峰がありましたが 今は木々に覆われその名残さえ見えません
ピラーロックとは浸食された花崗岩が切り立っている万物相です。私が初めて訪れた時は「ここは砂漠かっ?」と驚いたものです。眼下には街並みも広がり、芸術的な風景を醸し出しているピラーロックは、いつ来ても素晴らしいと感じられます。芦屋の町はもとよりあべのハルカス、大阪WTCまで見渡せました。
▲ザレ場を登るには 靴を置くのではなく 靴のインサイドを蹴り込み小さな階段を作るようにしての登って行きます…インサイドステップ
▲プルージックコードによる すべり止めの方法
▲ デバイスを使っての 引き上げのサポート
▲ロープでの支点の取り方 
昼食の後 ロープについてそのさわりだけを体験していただきました ハイキング程度なら必要のないことなのですが 本格的登山をはじめるにあたりロープワークは必要になってきます 危険個所の通過には必要ですし 仲間のサポートや救助には無くてはなりません トレーニング中はロープを使って安全策を構築しスキルアップをしていかなければなりません 日本にあるアルプスと言われる山岳地帯を登るのに100の力がいるとすれば 130~150の余裕のパワーとスキルを付ける必要があります
この日は前日の寒さとはうってかわって無風で暖かく昼食後のロープワークもスムーズに出来ました。万が一の時に救急隊に助けを呼ばずともセルフレスキューの出来るようになれば山も更に楽しくなるはずです。ロープの第一歩を知って貰うことが出来ました。
 ▲記念写真を撮って 下山開始です  ▲今日はイノシシはいませんでした ▲ 登山道の脇にある不動明王像
▲下山の途中から見たキャッスルウオール
  岩登り中の男性10メートル滑落、重傷か 芦屋ロックガーデン配信   神戸新聞 NEXT
28日午後3時20分ごろ、兵庫県芦屋市奥山の「芦屋ロックガーデン」で、登山中だった40歳くらいの男性が岩場の急斜面から約10メートル下に滑落した。男性は左脚の骨を折る重傷とみられる。芦屋署によると、男性は「キャッスルウォール」と呼ばれる岩肌を素手で登っていたところ、手を滑らせて落ちたとみられる。同行していた女性が119番し、男性はヘリで病院に搬送された。
 前日、キャッスルウォールで事故があった模様。この岩は全高約25m 岩棚から50mロープを二つ折りにしてロープダウンした時 3mくらいビレイポイントに届かない
ここでクライミングをするときは60mを用意する必要があるゲレンデ。ここに写っている人もロープを使ってない様子が見て取ることができた。10mの墜落ならこの人のいる辺りからだと思う事故の検証に来ているのかと思いましたが 下は平ではなく大小岩が転がっているので命があって何よりだと思う次第。
※この記事の表現に素手で登っていたとありますが 本来 岩は素手で登るものですから 多分ロープフリーで登っていたということだと思います
ピラーロックでロープワークの後は、中央稜の十字路から高座谷に向けて降りてきました。この日はいつもたむろしているイノシシが見えません。年末のお買い物にでも出かけていたのでしょうか。ゴールの阪急・芦屋川駅前広場に到着です。
終わりに
関西に赴任中ならば一度は六甲山をご案内しようと、長距離コースは案内人の私達が辛いから避けました。登山道から外れている今回のコースは熟知している者がいる時に通過できればラッキーだと思っています。まだまだ六甲は奥深くコースも無数にあります。地図を確認し、携帯電話は圏外である事、ペンキの表示は信じない事などを知り六甲山を楽しんで頂ければと思っています
梅田を経由して千鳥橋近くのバス停で「乗ろうか歩こうか」迷っていると高見のクライマーさんに声を掛けられました。
「疲れている後ろ姿」だったそうです・・・ヘロヘロが見破られていました。